「表には出ない。けれど確実に“買われている”エリアがあるんです」
そう語るのは、東京・赤坂にオフィスを構える某不動産コンサルタント。
この数年、表向きにはあまり知られていないエリアで、静かに、着実に動く外国人投資家たちの購入が相次いでいるという。
華やかなタワーマンションではなく、あえて“地味”に見える低層物件や土地。
その裏にあるのは、**「長期で保有することを前提とした、本気の資産戦略」**だった。
今回は、そんな“表には出ない都心不動産の動き”に迫る。
■ 「派手さ」ではなく「持ちやすさ」が選ばれる時代
富裕層の投資が大きく変わり始めたのは、コロナ以降。
- 不確実な世界情勢
- 為替変動へのヘッジニーズ
- 安定した居住可能国への拠点づくり
- 派手な資産より“長く持てる安心感”への回帰
こうした背景から、「一度買ったら、しばらく手放さなくていい」「貸せば利回りも出る」「必要があれば住める」──
そんな、“使い勝手のいい資産”として、**都心の中でも“静かな高級住宅地”**が再評価されている。
■ 実際に“秘密裏に買われている”エリアとは?
- 南麻布・元麻布(港区)→ 大使館が集まるため、外国人が生活しやすい。高台で静か、低層住宅が中心。→ 外交官や海外ファンドの“実需+投資”購入が目立つ。
- 代々木上原・西原(渋谷区)→ トレンドに流されないローカル文化と高所得層の居住エリア。→ 海外の建築家や文化人が“秘密基地”のように買っている。
- 神楽坂・牛込(新宿区)→ 江戸文化の香りが残る裏路地と、アクセスの良さ。→ フランス人・台湾人ファミリーの移住先としてひそかに人気。
- 白金台・池田山(港区・品川区)→ 富裕層の邸宅が並ぶ、完全プライベートゾーン。→ 自然、治安、教育環境に優れ、リセールバリューも高い。
これらのエリアは、「見た目の派手さ」や「SNS映え」はないが、**“住む人の質と静けさが価格を支えている”**本物の資産エリアである。
■ “情報非公開”の物件こそ、本命
富裕層の間で注目されているのは、いわゆる「非公開物件」。
これはポータルサイトや広告に出ず、信頼できるエージェント経由でのみ紹介されるルートだ。
- 売主が個人情報の保護を最優先
- 所有者が企業経営者や芸能人などで、一般公開を避ける
- 価格交渉よりも「買い手の属性」で選ばれるケースが多い
海外富裕層の多くがこの非公開ルートを通じて、
“誰も知らないが、確実に価値のある物件”を少しずつ買い集めている。
■ 不動産が「ネットに載っていない」理由
「本当にいい不動産は、ネットには載っていない」
これは、日本に限らず世界の富裕層投資家の間では常識だ。
- 所有者が売る意思を出していない限り、市場に出てこない
- 既存オーナー同士の“紹介”で売買が成立する
- 買う側にも「静かに買いたい」というニーズがある
つまり、日本の都心には、“市場に出ない市場”が確実に存在しているのだ。
■ まとめ──ラグジュアリーは、静かに売買されている
いま、世界の富裕層は“東京で買う”ことを騒がず、派手に見せず、静かに進めている。
それは、数字では測れない価値を信じているから。
・静かな環境
・丁寧な管理
・税制の安定
・文化的な奥行き
・そして“誰にも知られずに持てる安心”
本当に価値のある不動産は、地図に載っていても、心の中だけで光る。
次に東京で動くのは、声を上げる投資家ではなく、
“静かに確かなものを知る者”たちなのかもしれない。