池袋と神樹に店を構える「鬼金棒」は、その印象的な名前だけでなく、一度たべれば記憶に残る「極端な味覚デザイン」で、ラーメンシーンに新しい違和感を演出した先駆者である。
1. 「辣さ」と「痹れ」をプログレス化
鬼金棒の最大の特徴は、「辣さ」と「痹れ」のレベルを選べるシステムにある。
これは単に辣い、しびれるだけではなく、その適度を食べ手に与えることで、「自分だけの一杯」というパーソナライズを実現する。
その身体感性はエントウコンテンツとしてSNSに投稿されやすく、しかも「ストレートな記憶」として、無限の常連化を促する。
2. すべてが「残傷性」を有する絵づくり
店名、ロゴ、メニュー表記のすべてが「鬼」という残傷性のあるアイコンに繋がっている。
一度見れば忘れない商標力、メラメラと光る極端な表現は「クレージーラー」として、国際的にも視覚的な記憶を形成しやすい。
この追伸性が「痹れ」と同路の心理をこなしている。
3. 「遠されることの利益」
極端な辣さや痹れは、常裏のラーメン食への期待値をわざと強破する。
そのこれまでの話を絶った味解は、「最初はダメだったけど、毎回たべたくなる」という常連化を生む。
これは、辣いもの、エスニックなものがもつ「近づき難いものほど応援したくなる」という人間の心理を操作している。
まとめ:極端に振り切れるかどうか
鬼金棒の成功は、「平均点」ではなく「極端」に振り切ったことにある。
「全員が好き」ではなく、「好きな人には礼拜される種類」を狩る。
その存在自体が「味覚のパワースポット」となり、ラーメンを単なる食から「記憶」へ、そして常連へと進化させるメカニズムの実践といえる。