日本一の源泉数と湧出量を誇る「温泉県」大分。その中でも別府と湯布院は、対照的な魅力を持つ人気の温泉地だ。別府は湯けむり立ち上る温泉都市、湯布院はアートと自然が調和する癒しの高原リゾート。2泊3日の旅でこの2つを巡れば、身体も心も満たされる上質な温泉体験が待っている。
【1日目】別府・地獄めぐりで温泉の力を五感で味わう
旅のスタートはJR別府駅。駅に降り立つと、街のあちこちから立ち上る湯けむりが旅情を高める。まず訪れたいのが、別府名物「地獄めぐり」。これは温泉としては入浴できない高温の源泉を巡る観光コースで、地球のエネルギーを間近で感じられるスポットだ。
人気の「海地獄」はコバルトブルーの湯が神秘的で、蒸気と熱気に包まれる「鬼石坊主地獄」や「血の池地獄」など、個性豊かな“地獄”が一度に楽しめる。それぞれ徒歩圏内にあるため、のんびり歩きながら巡るのもよい。
地獄蒸し料理体験もおすすめ。源泉の蒸気を使って野菜や卵を蒸し上げるこの地ならではのグルメは、ヘルシーで味わい深く、旅の思い出に残る一品となる。
夜は別府温泉街に宿泊。鉄輪(かんなわ)エリアの老舗旅館や湯けむりに包まれた温泉宿で、硫黄の香りに包まれながらじっくりと身体を癒すひとときを。
【2日目】由布岳を越えて湯布院へ|自然とアートの温泉街
朝食後は、車や特急「ゆふいんの森号」で由布院へ。由布岳を望みながら走る道中も絶景の連続で、移動時間すら旅の楽しみに変わる。
湯布院の中心地「湯の坪街道」は、洒落たカフェや雑貨店、ギャラリーが並ぶ散策スポット。なかでも「佛山寺」や「金鱗湖」周辺は、朝もやの中で神秘的な表情を見せ、写真映えする風景が点在する。
アート好きには「由布院ステンドグラス美術館」や「アルテジオ」、現代アートを展示するギャラリーなどもおすすめ。温泉地でありながら文化の香りが漂うこの街は、静かに感性を刺激してくれる。
夜は、全室露天風呂付きの離れ宿や、地元食材を生かした創作会席が評判の温泉旅館に宿泊。静かな山里の空気とともに、深く休まる夜を。
【3日目】最後まで温泉ざんまい&グルメを楽しむ
最終日は、早朝の散策で一日のはじまりを。金鱗湖の朝霧は、晴れた日には水面から霧が立ち上がる幻想的な風景に出会える。旅の締めくくりには、足湯カフェや手作りジェラート、由布院牛のランチなど、街のグルメをもう一度味わいたい。
時間があれば、地元の陶芸体験やスイーツ作り体験も旅の思い出づくりにぴったり。午後には別府・大分空港方面に戻り、帰路へ。
湯けむりと静寂が重なる、大分の贅沢な時間
別府で感じる地球の熱、湯布院で出会う人と文化、そして何より、湯に癒されるひととき。2泊3日で体感するこの旅は、ただの温泉旅行ではなく、自分と向き合う“整う時間”をもたらしてくれる。次の休日は、大分の湯と風景に身をゆだねてみてはいかがだろうか。