2025/06/28
【宮崎】高千穂峡と神話の舞台を歩く|東京からアクセスする非日常の絶景地

宮崎県北部の山あいに位置する高千穂町。ここは、天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れたとされる「天岩戸(あまのいわと)」や、神々が地上に降り立ったといわれる「天孫降臨」の伝承が残る、日本神話ゆかりの聖地として知られている。渓谷美と神話の物語が重なるこの地は、まさに“非日常”を体感できる特別な場所。東京からでも飛行機と車を組み合わせれば、週末でもアクセス可能な現実離れした絶景スポットだ。


神秘の絶景・高千穂峡

高千穂と聞いてまず思い浮かぶのが「高千穂峡」。阿蘇山の噴火によって形成されたV字型の渓谷で、柱状節理の岩肌を縫うように流れる五ヶ瀬川が織りなす景観は、息をのむ美しさを誇る。特に人気なのが、「真名井の滝(まないのたき)」を下から望む貸しボート体験。水しぶきが舞い、眼前にそびえる滝の迫力を間近で感じられる、まさに“神々の降り立つ場所”にふさわしい時間が広がる。

遊歩道も整備されており、上から渓谷を見下ろしながらゆっくりと歩くこともできる。春の新緑、夏の涼風、秋の紅葉、冬の澄んだ空気——四季折々でまったく違う表情を見せるのも魅力だ。


神話と祈りの地をたどる

高千穂は日本神話の“舞台”でもある。代表的なスポットが「天岩戸神社」と「天安河原」。天岩戸神社は、天照大神が隠れたとされる岩戸をご神体とし、神域の静けさが心を清めてくれる。神職の案内で岩戸を間近に見ることもでき、訪れる人々が一様に神聖さを感じ取るパワースポットとしても知られている。

また、神楽(かぐら)という伝統芸能もこの地に根付いており、「高千穂神社」では毎晩「高千穂夜神楽」が上演されている。火と音と舞の儀式を間近で見ることで、日本人が古くから抱いてきた自然信仰や神々との距離感を肌で感じることができる。


東京からのアクセス方法

東京から高千穂へのアクセスは、飛行機で宮崎空港または熊本空港へ飛び、そこからレンタカーで約2~2.5時間。日豊本線やバスでの乗り継ぎも可能だが、神社や渓谷が点在する地域特性上、車での移動が圧倒的に便利。ドライブルートも自然豊かで、移動時間さえも旅の一部になる。

空港からの道中には、高千穂牛や地元野菜を使ったグルメ、山の中にひっそり佇むカフェなど、立ち寄りスポットも豊富。時間にゆとりを持ったプランニングがおすすめだ。


日常を忘れる、“神話の時間”へ

高千穂は観光地でありながら、観光地然としていない。そこには語り継がれた神話と、今も変わらぬ自然、そして静かな祈りの空気がある。東京からほんの数時間でたどり着けるのに、まるで遠い神の世界に迷い込んだような感覚になる不思議な場所。現代の喧騒に疲れた心を、そっと解きほぐしてくれる“神話の旅”へ、足を運んでみてはいかがだろうか。