2025/06/28
【東北の桜名所7選】東京から1泊2日で巡る春の絶景ルート

春、東北の桜は遅れてやってくる。その分、東京ではすでに散ってしまった桜の季節を、もう一度味わえる贅沢がある。東京から1泊2日で巡れる東北の桜名所は、ただ美しいだけでなく、土地の文化や歴史と結びつき、特別な旅の記憶となる。

1日目、朝の新幹線で仙台へ向かう。最初の目的地は「白石川堤一目千本桜」。川沿い8kmにわたり咲く桜並木は、まだ雪の残る蔵王連峰を背景にした絶景として知られる。満開の時期には地元の露店も並び、春の訪れを祝うようなにぎわいを見せる。

続いて向かうのは、福島県の「花見山公園」。地元の花卉農家が長年育ててきた花木が山全体を覆い、桜だけでなくレンギョウやハナモモなど、春の色彩が一体となって訪れる人を迎える。整備された遊歩道を歩きながら見渡す風景は、まるで絵画のようだ。

この日の締めくくりは、会津若松。鶴ヶ城の周囲を囲む桜は、ライトアップされる夜にこそ本領を発揮する。天守閣と夜桜のコントラストは、訪れた者だけが味わえる幻想的な時間を演出してくれる。宿泊は近くの温泉地・東山温泉を選べば、旅の疲れを湯に溶かす贅沢も叶う。

2日目は早朝から移動して、山形県・霞城公園へ。かつての山形城跡に広がるこの公園は、堀と石垣に囲まれた広大な敷地に桜が咲き誇る。地元の人々が日常的に行き交う中で、ゆったりとした時を過ごすことができる。

その後は新庄市の「最上公園」へと足を延ばす。最上川の流れとともに桜を楽しめるこの公園は、東北の中でも比較的知られていない穴場的存在。静かに咲く桜を愛でながら、旅の余韻をじっくり味わうにはちょうどいい。

最後の目的地は、岩手県の「北上展勝地」。およそ2キロにわたって続く桜並木と北上川のゆるやかな流れ、そして遊覧船からの景色が名物だ。訪れる時期には観光馬車も運行されており、ノスタルジックな雰囲気の中で春の終わりを感じることができる。

東京へは新花巻駅から新幹線で戻る。旅の終わりには、見た桜の色と風景が鮮やかに頭に残るだろう。東北の桜は、ただ咲いているだけではない。地域の人々の手で守られ育てられ、長い年月をかけてそこにある。1泊2日の短い旅でありながら、そこには時間を超えた春の記憶が広がっている。