2025/06/28
【秋の紅葉ロード】レンタカーで巡る“赤と金の絶景”5選

秋の深まりとともに、東北の山々や渓谷は燃えるような紅に染まり、黄金色の落葉が道を彩る。鉄道ではアクセスが難しい絶景の地も、レンタカーを使えば自分のペースで巡ることができるのが魅力だ。ここでは、ドライブ旅だからこそ出会える東北の紅葉絶景を五つ紹介する。

まず目指したいのが、山形と宮城を結ぶ「蔵王エコーライン」。標高差の大きいこの山岳道路では、麓から山頂に向かうにつれて紅葉のグラデーションが楽しめる。カエデやブナ、ナナカマドなどが鮮やかに色づき、特に朝夕の斜光が差す時間帯は、山肌が赤金に輝いて見える。途中にある展望ポイントからは、雲海と紅葉が織りなす幻想的な景色が広がる。

次に紹介するのは、福島県の「磐梯吾妻スカイライン」。標高1,600メートルの浄土平を目指して走るこのルートは、まさに天空の紅葉ドライブと呼ぶにふさわしい。硫黄の香り漂う火山地帯の荒涼とした景観と、色鮮やかな木々が対比をなしており、他にはない風景に出会える。スカイラインを抜けたあとは、静かな湖畔の紅葉も楽しめるスポットが点在する。

青森県の奥入瀬渓流もまた、秋のドライブには欠かせない。十和田湖から流れる清流に沿って続く国道は、紅葉のトンネルとなる。走るたびに風景が変わり、車を停めては小さな滝や苔むした岩に目を奪われる。特に晴れた日の朝は、水面に映る紅葉と落ち葉が織りなす世界に心を奪われるだろう。早朝のスタートがおすすめだ。

岩手と秋田をつなぐ「八幡平アスピーテライン」では、山岳地帯ならではのスケールの大きな紅葉が楽しめる。緩やかなカーブが続く道を登るにつれ、赤や黄に染まった山々が連なる様子が見渡せる。途中の大沼や見返り峠などに立ち寄れば、澄んだ空気と静けさの中で紅葉に包まれる贅沢を味わえる。晴天時には遠く日本海まで見渡すこともできる。

最後に紹介するのは、秋田県の「抱返り渓谷」。紅葉の盛りには観光客でにぎわうが、車でアクセスできるため時間帯を選べば人出を避けることも可能だ。渓流沿いに紅葉が連なり、吊り橋から見下ろす景色はまさに絵画のよう。遊歩道を歩きながら自然に触れるひとときは、ドライブ旅のなかでも特に印象的な時間となる。

紅葉のピークは地域によって異なるが、おおよそ10月上旬から11月初旬までが見頃となる。標高の高い場所から順に色づいていくため、時期をずらして旅を組めば、長く紅葉の季節を楽しむことができる。レンタカーだからこそ出会える、静かな絶景とその瞬間の色彩を求めて、秋の東北を巡る旅へ出かけてみてはいかがだろうか。