2025/05/23
【西麻布シリーズ】なぜ西麻布は不動産価値が落ちないのか

「港区の中でも、西麻布だけは別格」

東京の不動産に詳しい人ほど、そう口を揃えます。

西麻布(にしあざぶ)は、一見地味で静かな住宅街ですが、富裕層から圧倒的な支持を受け、資産価値が極めて安定しているエリアです。

なぜこのエリアが、時代を超えて“価値が落ちない街”として選ばれ続けているのか?

本記事ではその理由を、立地・歴史・文化・流通性の観点から掘り下げます。

◆ 都心でありながら“静寂”が守られている希少エリア

西麻布は、六本木、広尾、南青山という超一等地に囲まれた三角地帯にあります。

しかし、そこには商業ビルも繁華街もなく、落ち着きと上品さが際立つ住宅街が広がっています。

  • 騒がしさから一線を画した“静かな都心”
  • 大通りから一歩入ると高級邸宅と低層マンションが点在
  • タワーマンションよりも、ヴィンテージ低層物件が主流

この“静けさと都心性の共存”こそが、富裕層が惹かれる最大の要素です。

◆ 土地が動かない=供給が増えない

不動産価格は「希少性」で決まります。

西麻布では、以下の理由で“新築物件の供給が極端に少ない”のが特徴です。

  • 高度制限・用途地域の制限により高層化が困難
  • 土地の所有者が長年住み続け、売却が出にくい
  • エリア全体が“住み継ぐ文化”によって守られている

つまり、“欲しくても出てこない”エリアであるがゆえに、流通物件は高値で維持され続けるのです。

◆ 富裕層ネットワークが形成されている街

西麻布は「静かな高級住宅街」であると同時に、富裕層同士が自然とつながるコミュニティ空間でもあります。

  • 隣人もまた同じようにプライバシーと美意識を大切にしている
  • レストラン・ギャラリー・会員制クラブが点在し、情報や人が洗練されている
  • 不動産会社同士も“誰に売るか”を選ぶ独特のマーケット感覚がある

こうした環境は、**“価格が下がりにくい人間関係ベースの経済圏”**を構築しています。

◆ 再開発とは無縁の“完成された街”

再開発エリアでは物件価格が大きく動くことがありますが、

西麻布には「開発余地」自体がほとんど残されていません。

  • 新しくなるのではなく、“変わらずにあり続ける”
  • 景観や街並みが時間と共に“価値そのもの”になっていく
  • 古くなることが“価値の証明”として受け止められる文化

これは、日本国内でもごく限られたエリアにしかない**“成熟した不動産市場”**の証といえます。

◆ まとめ:西麻布の価値は、“出ないこと”にある

土地が出ない。物件が出ない。価格が下がらない。

西麻布の価値は、「資産として安心して持ち続けられる」という点に集約されます。

売る必要がない人が持ち続け、欲しい人はずっと待ち続ける——

そんなマーケット構造が、この街の価格を支え続けているのです。