2025/06/27
【3泊4日】東京から行く“富良野・美瑛”の絶景ドライブ旅

北海道の中央部に位置する富良野と美瑛は、絵画のような風景が広がる国内屈指のドライブエリアとして知られている。四季折々の風景美が堪能できるが、特に初夏から秋にかけての数ヶ月間は、なだらかな丘陵地帯にラベンダーやひまわり、小麦畑が重なり、訪れる人々を魅了する。このエリアは公共交通機関による移動ではアクセスに限界があるため、レンタカーでの周遊がもっとも自由度が高く、風景との一体感を味わうには最適な手段といえる。

東京からの移動は空路が一般的で、新千歳空港または旭川空港が玄関口となる。前者を選べば千歳から富良野までは約2時間半、後者であれば1時間程度のドライブで到着できる。時間に余裕のある旅行者にとっては、あえて千歳から札幌・美瑛・富良野というルートを選び、北海道のスケールを感じながら北上するのも魅力的だ。

旅の初日は富良野の宿に向かう道すがら、いくつかの農場直売所や展望台に立ち寄りたい。夏には果物狩りが楽しめる施設やジェラート工房が並び、地元産の食材をふんだんに使ったランチが味わえる。富良野の市街地には地元料理のレストランが点在しており、夕暮れ時には周囲の山並みに沈む夕日を眺めながら、北海道らしい味覚に舌鼓を打てる。

2日目は、富良野の南側エリアからスタートするのが自然な流れだ。ラベンダー畑の広がる丘陵地をドライブしながら、写真愛好家に人気の撮影スポットを巡る。高台に位置する展望台からは、はるか彼方まで畑が続き、季節ごとに違う表情を見せる。その後、美瑛方面へ北上するルートが定番で、美瑛の「パッチワークの路」と呼ばれる丘陵地帯に入ると、まるでヨーロッパの田園地帯を走っているような気分に包まれる。

美瑛では有名な一本の木や丘の名前が観光ガイドなどで紹介されているが、それ以外にも無名の場所にこそ感動的な風景があるのが、このエリアの奥深さだ。訪れる時間帯によって光の角度や雲の流れが刻々と変化し、同じ場所でもまったく異なる景色に出会える。午後にはカフェで一息つき、地元の牛乳やチーズを使ったデザートを楽しむのもよい。宿泊は美瑛または再び富良野へ戻る形で、2日目の締めくくりとなる。

3日目は少し足を伸ばして、十勝岳温泉方面へ向かう山岳ドライブを組み込むのもおすすめだ。標高が上がるにつれ、森林帯から高山帯へと風景が変わり、途中の展望スポットでは眼下に広がる平野と、遠くに見える大雪山連峰の雄大な姿を望むことができる。温泉地に立ち寄って、露天風呂からの絶景を楽しむのも一つの贅沢な時間である。下山後には、再び市街地に戻ってゆっくり食事をとり、旅の余韻を深めたい。

最終日は空港への移動が中心となるが、時間に余裕がある場合は、道中にある美術館や道の駅での買い物も旅の仕上げとして楽しめる。地元のクラフト品や季節限定の加工食品は、帰宅後も北海道の余韻を味わえる手土産になる。途中で見かけた風景を思い出しながらのドライブは、旅の締めくくりにふさわしい時間だ。

富良野と美瑛の魅力は、整えられた観光地というよりも、日常の営みがそのまま風景となったような自然体の美しさにある。大規模な施設に頼らずとも、道を曲がった先に思わぬ絶景が待っている。そんな偶然の出会いこそが、ドライブ旅の醍醐味であり、このエリアを訪れる理由の一つになるだろう。舗装された道を走るだけでも、時間の流れがゆっくりと感じられ、日常から切り離された心地よさが訪れる。東京からほんの数時間で、まるで別世界のような風景と静けさに包まれるこの旅は、多忙な日々にリセットをもたらしてくれるに違いない。