2025/06/05
なぜタイ・香港の富裕層が、移住先に“東京”を選び始めているのか?

「昔はロンドンやシンガポールが主流だった。でも今は、“東京が一番安心できる”と感じている。」

これは、香港で複数の企業を経営する40代の実業家が語った言葉。

近年、タイ・香港・シンガポールといったアジアの富裕層の間で“東京移住”が現実的な選択肢として急浮上しています。

いま、なぜ彼らが東京を選ぶのか?

その背景には、安全・教育・生活コスト・投資環境など、あらゆる視点での“バランスの良さ”がありました。


■ かつての定番は“シンガポール”や“欧米”

富裕層の移住先として長らく人気だったのは:

  • シンガポール:税制優遇、安全、教育環境が整っている
  • ロンドン/バンクーバー:語学・欧米大学への進学ルート
  • ドバイ:資産保護と非課税メリット

しかし、近年はそれぞれに**「生活コスト」「混雑」「政治的不安定さ」「空気の悪化」「文化的違和感」が噴出。 そこで注目され始めたのが、“知っている国で、想像以上に暮らしやすい”日本**です。


■ なぜ“東京”なのか? 富裕層が語る5つの理由

1. 圧倒的な安心感(治安・清潔・時間の正確さ)

  • 深夜でも歩ける
  • お金を落としても戻る
  • 電車が1分単位で正確に来る→ “子育て・資産管理・ビジネス”すべてにおいて信頼できる

2. 教育と医療の質が高く、割安

  • インター校は年間250〜350万円で世界基準
  • 医療費は先進国トップレベルの精度で、費用は1/2〜1/3程度

3. 生活コストのコスパが圧倒的

  • 住居、外食、教育、移動、保険すべてが“品質のわりに安い”
  • 100万円あれば都心で優雅に暮らせる(前回記事参照)

4. 投資拠点としても魅力的

  • 不動産が割安で流動性あり(東京港区でも1億円で購入可能)
  • 円資産としてのポートフォリオ分散先に最適

5. 文化的親和性が高い

  • マナー・礼儀・家族重視の価値観
  • 食事・買い物・美容・娯楽の質が高く、日常が豊か

■ タイ・香港富裕層のリアルなケース

  • タイの病院オーナー(バンコク→広尾):「子どもに礼儀を教えたいと思った。東京の教育は“静かに育ててくれる”」
  • 香港の資産家(中環→麻布十番):「空気と食事のクオリティが違いすぎる。体が整ってきたと感じる」
  • タイ人経営者夫妻(移住+投資):「1億円でタワマン購入+子ども2人インター校。それでも生活費は香港より楽」

■ 日本移住=“暮らしと資産”の両方を整える選択

日本は税制上の優遇は多くありません。

それでも、彼らが選ぶ理由は**“見えないところでの満足度”**が圧倒的だからです。

  • ストレスの少ない日常
  • 信頼できる行政とルール
  • 精神的に疲れない人間関係
  • 継続可能な教育と医療

→ 富裕層が最後に重視するのは、“数字では測れない暮らしの質”なのです。


■ “日本に住む”という選択が“憧れ”から“戦略”へ

かつては「日本に住めたらいいね」で終わっていた話が、

いまは「まず東京に拠点を持とう」「教育だけでも日本に」といった具体的な行動に変わり始めています。

タイ・香港の富裕層にとって、“東京”はもはや特別ではなく、“賢い”という判断基準になりつつあるのです。