2025/05/23
なぜ香港の富裕層は都心の“狭い部屋”を買いたがるのか?

「狭いのに高い」「1ベッドなのに1億円」

そんな日本の都心型マンションを見て、驚く方もいるかもしれません。

しかし、香港の富裕層にとってそれはむしろ“歓迎すべき投資対象”であり、「狭いからこそいい」と考える視点が存在します。

彼らが“あえて狭い部屋”を買う理由とは何なのでしょうか?


◆ 香港人の“不動産観”の特徴

香港ではもともと:

  • 土地が非常に少なく
  • 高層で狭い部屋が当たり前
  • コンパクトな間取りに慣れている
  • 賃貸回転が早く利回り重視

という文化的背景があります。そのため、東京の30㎡〜50㎡の1LDKやスタジオタイプは、**非常に“馴染み深いサイズ感”**なのです。


◆ “狭い部屋”=機動性のある資産

香港の富裕層は、「使う・貸す・売る」すべてにおいてフレキシブルな物件を求めています。

その点、狭い部屋には以下のような利点があります:

  • 出張や一時滞在用の「東京拠点」に使える
  • 富裕層向けのマンスリーレンタル需要が強い
  • 面積が小さい分、初期投資が抑えられ、資産分散がしやすい
  • 海外でも貸し出しがしやすく、出口戦略が明確

これにより、「買ってもリスクが低い投資対象」として評価されています。


◆ 都心型1LDKの“異常な安定性”

東京・港区や渋谷区では、1LDKタイプの物件が築年数に関わらず高値で取引されています。

なぜなら:

  • 住宅ローン不要の現金購入が多い
  • 売却希望者が少なく、流通が限られる
  • 海外からのセカンドホーム需要が継続的にある

これにより、**「狭い部屋でもリスクが小さい=安心して投資できる」**という心理が働いています。


◆ 「狭くていい」ではなく「狭いほうがいい」

香港の富裕層にとって、部屋の広さは“目的に応じて選ぶもの”です。

・家族で住む → 広い郊外の家

・投資用 → コンパクトな都心型

・自分専用の拠点 → 高層階の1ベッドルーム

つまり、“狭さ”は合理的な選択肢の1つであり、「都心=狭い」がむしろ“正解”なのです。


◆ タイ富裕層にも共通する価値観の変化

近年では、タイの若い富裕層にもこうした考え方が浸透しています。

  • 「大きいこと=価値」という時代から
  • 「使いやすいこと=価値」という時代へ

この流れの中で、東京の1LDKや30㎡台の高級マンションが「賢い買い方」として注目を集めています。


◆ まとめ:“狭くても強い”が世界基準になる

広さでは測れない価値がある。

むしろ、狭いからこそ利回りが高く、メンテナンスも楽で、活用方法が広がる。

それをよく知っているのが、香港の投資家たちです。

そして今、世界の富裕層が同じように、**“狭くて高いけれど、価値が落ちない東京の部屋”**を求め始めています。