「狭いのに高い」「1ベッドなのに1億円」
そんな日本の都心型マンションを見て、驚く方もいるかもしれません。
しかし、香港の富裕層にとってそれはむしろ“歓迎すべき投資対象”であり、「狭いからこそいい」と考える視点が存在します。
彼らが“あえて狭い部屋”を買う理由とは何なのでしょうか?
◆ 香港人の“不動産観”の特徴
香港ではもともと:
- 土地が非常に少なく
- 高層で狭い部屋が当たり前
- コンパクトな間取りに慣れている
- 賃貸回転が早く利回り重視
という文化的背景があります。そのため、東京の30㎡〜50㎡の1LDKやスタジオタイプは、**非常に“馴染み深いサイズ感”**なのです。
◆ “狭い部屋”=機動性のある資産
香港の富裕層は、「使う・貸す・売る」すべてにおいてフレキシブルな物件を求めています。
その点、狭い部屋には以下のような利点があります:
- 出張や一時滞在用の「東京拠点」に使える
- 富裕層向けのマンスリーレンタル需要が強い
- 面積が小さい分、初期投資が抑えられ、資産分散がしやすい
- 海外でも貸し出しがしやすく、出口戦略が明確
これにより、「買ってもリスクが低い投資対象」として評価されています。
◆ 都心型1LDKの“異常な安定性”
東京・港区や渋谷区では、1LDKタイプの物件が築年数に関わらず高値で取引されています。
なぜなら:
- 住宅ローン不要の現金購入が多い
- 売却希望者が少なく、流通が限られる
- 海外からのセカンドホーム需要が継続的にある
これにより、**「狭い部屋でもリスクが小さい=安心して投資できる」**という心理が働いています。
◆ 「狭くていい」ではなく「狭いほうがいい」
香港の富裕層にとって、部屋の広さは“目的に応じて選ぶもの”です。
・家族で住む → 広い郊外の家
・投資用 → コンパクトな都心型
・自分専用の拠点 → 高層階の1ベッドルーム
つまり、“狭さ”は合理的な選択肢の1つであり、「都心=狭い」がむしろ“正解”なのです。
◆ タイ富裕層にも共通する価値観の変化
近年では、タイの若い富裕層にもこうした考え方が浸透しています。
- 「大きいこと=価値」という時代から
- 「使いやすいこと=価値」という時代へ
この流れの中で、東京の1LDKや30㎡台の高級マンションが「賢い買い方」として注目を集めています。
◆ まとめ:“狭くても強い”が世界基準になる
広さでは測れない価値がある。
むしろ、狭いからこそ利回りが高く、メンテナンスも楽で、活用方法が広がる。
それをよく知っているのが、香港の投資家たちです。
そして今、世界の富裕層が同じように、**“狭くて高いけれど、価値が落ちない東京の部屋”**を求め始めています。