タイ・バンコクは「コンドミニアム天国」と呼ばれるほど、都市部に洗練された高層住宅が立ち並ぶ国だ。
プール、ジム、ラウンジ付きの新築タワーが続々と建ち、外国人でも購入できる環境が整っている。
一方、日本は「地震大国」というイメージが根強く、「安全なのか?」「資産として成立するのか?」と疑問を持たれることもある。
それでも今、日本の不動産を“あえて選ぶ”タイの富裕層が確実に増えている。
なぜ、あれほど魅力的な物件が手に入る自国を離れ、日本へ資産を移すのか?
その理由は、“表面ではわからない日本の底力”にある。
■ 【タイ】圧倒的な価格性能。だが“出口”に課題
バンコクでは、外国人でも条件付きでコンドミニアムを購入できる。
5,000万円もあれば、BTS沿線のスクンビットエリアで100㎡超の2〜3ベッドルーム、共用施設完備の新築が視野に入る。
- 価格:同水準の東京の半額以下
- 外国人でも所有可能(51%ルール内)
- 賃貸需要も比較的強い
しかし、課題は“出口”と“過剰供給”にある。
- 同じような物件が大量に建設され、差別化が難しい
- 資産価値の下落が早く、再販時の価格が想定よりも低い
- 高級ゾーンであっても、外国人以外の需要が限定的
つまり、購入時は魅力的だが、中長期での保有メリットが見えにくいという側面がある。
■ 【日本】確かに“地震大国”。だが、だからこそ強い
日本が「地震が多い国」であるのは事実だ。だが、それは同時に、世界最高レベルの耐震技術と建築基準を持つ国でもあることを意味している。
- 新耐震基準(1981年以降)で建てられた建物は極めて頑丈
- 大規模マンションは免震・制震構造が標準化
- 定期的な大規模修繕、管理組合による防災体制も確立
- 自治体やマンション単位での防災教育が進んでいる
つまり、「災害がある」ではなく、「災害に最も強く備えている国」として、日本は世界の中で高い評価を得ている。
■ なぜタイ人富裕層が日本を選び始めたのか?
タイの富裕層が日本不動産に魅力を感じる理由は、“安心”と“美意識”にある。
- 日本人の生活習慣が清潔で整っており、建物の劣化が少ない
- 管理組合が厳格に機能しており、共用部が常に美しい
- 隣人トラブルが少なく、精神的ストレスが低い
- 物件周辺の環境(病院・学校・公園・交通)が整備されている
また、日本の高級マンションは「暮らす芸術」とも言えるような洗練があり、空間のデザイン、音の静けさ、窓からの眺望など、“体験価値”が非常に高い。
■ 不動産の「安心」は、“見えない部分”に宿る
どんなに美しいロビーや眺望があっても、建物の品質、制度の透明性、住民の文化が不安定であれば、安心して持ち続けることはできない。
日本の不動産は:
- 法制度が整備されており、所有権が明確
- 契約トラブルや詐欺が少なく、不動産取引の透明性が高い
- 仲介会社・司法書士・管理会社が連携し、購入後も安心
- 所得税・固定資産税の体系も明確で、外国人に不利な特別課税がない
これらすべてが、**「持っていてストレスがない不動産」**というブランドを構築している。
■ まとめ──派手さよりも、“守れる資産”を持つという価値観
タイの不動産は魅力的だ。だが、日本の不動産は**“静かに守れる安心資産”**という点で、全く異なる魅力を持っている。
- 値下がりしにくい
- 管理が行き届いている
- 持っていて誇れる
- いざとなれば貸せる・売れる
派手さや利回りではなく、「人生を安心して預けられる空間」を求める富裕層にとって、日本は今、真の意味で“買う理由がある国”なのだ。