2025/06/19
シェアハウス契約と通常の賃貸契約の違い

日本で部屋を探していると、「シェアハウス」という選択肢を目にする機会が増えてきた。特に都市部では、家賃を抑えながら生活を始められる手段として人気があり、外国籍の方や一人暮らし初心者にとっても注目されている。

しかし、シェアハウスは一般的な賃貸マンションやアパートとは、契約の仕組みや生活ルールが大きく異なることを理解しておく必要がある。

この記事では、「シェアハウス契約」と「通常の賃貸契約」の違いを、契約内容、費用、生活ルール、トラブル対応といった観点から整理し、どちらが自分に合っているかを判断できるように解説する。


1. 契約形態の違い

通常の賃貸契約

  • 【契約名義】:個人名義または法人名義

  • 【契約形態】:不動産契約(借家契約)

  • 【対象】:部屋全体(1K、1LDK、2DKなど)を専有

  • 【契約期間】:一般的に2年(更新制)

  • 【保証】:敷金・礼金、連帯保証人または保証会社が必要

シェアハウス契約

  • 【契約名義】:個人名義が基本だが、運営会社が一括管理する場合もある

  • 【契約形態】:宿泊契約や施設利用契約に近い形式(建物所有者と直接契約しない場合も)

  • 【対象】:個室は専有だが、リビング・キッチン・浴室などは共用

  • 【契約期間】:1ヶ月〜半年の短期契約も可能(更新柔軟)

  • 【保証】:保証人不要の物件も多く、敷金・礼金がかからないこともある


2. 初期費用の違い

費用項目 通常の賃貸 シェアハウス
敷金・礼金 あり(1~2ヶ月分) 基本なしまたは一部徴収
仲介手数料 あり(家賃1ヶ月) なし or 登録料のみ
保証会社利用料 必須が多い 不要のケースが多い
家具家電 基本的に入居者が用意 ほぼ完備
合計初期費用 20~50万円程度 5~10万円前後

結論:シェアハウスは「初期費用を抑えて住み始めたい人」に有利な契約スタイル。


3. 生活スタイルの違い

通常の賃貸

  • 完全なプライベート空間

  • 生活音やゴミ出しなどのマナーは自身の責任

  • 訪問者やペットなどの管理も自由度が高い(契約次第)

シェアハウス

  • キッチン・浴室・洗濯機・トイレなどを住人同士で共用

  • 掃除当番や備品の管理など、住民間のルールが存在

  • 音や生活リズムの違いからトラブルになることもある


4. 契約期間と解約条件

通常の賃貸

  • 基本的に2年契約(中途解約には違約金や予告期間あり)

  • 更新時には更新料(家賃の1ヶ月分など)が発生することが多い

シェアハウス

  • 月単位・週単位の短期契約が可能な物件も多い

  • 解約予告は1週間~1ヶ月程度で柔軟な対応が可能

  • 更新料がかからない物件が多い


5. トラブル対応の違い

通常の賃貸

  • 設備不良やトラブルがあれば、管理会社やオーナーが対応

  • 原状回復のルールや退去精算も明文化されていることが多い

シェアハウス

  • 共用部のトラブルは、管理人や運営会社に報告

  • 入居者同士の人間関係トラブルが発生することも

  • 運営側がしっかりしていないと対応が曖昧になることもある


6. どんな人に向いているか?

タイプ 通常の賃貸 シェアハウス
プライバシーを重視
初期費用を抑えたい
家具を持っていない
日本語が苦手 △(書類多い) ◎(外国人対応が多い)
友人を作りたい
長期で腰を据えたい

ライフスタイルに合った選択を

「シェアハウス=安い・気軽」というイメージが先行しがちだが、実際には生活の自由度やプライバシーが制限される部分もある。一方、通常の賃貸は手続きや初期費用が多くなる分、自立した生活を求める人に向いている。

どちらが良い悪いではなく、自分の生活スタイルや現在の状況に合った選択が大切である。短期滞在・留学・仕事の都合で一定期間だけ住むならシェアハウス、腰を据えて生活を組み立てたいなら通常賃貸、といった使い分けが有効だ。