「日本の不動産は魅力的だけど、実際いくらかかるの?」
この質問は、タイの富裕層から最も多く寄せられるものの一つです。
本記事では、タイ人が日本の不動産を購入する際に必要となる税金・諸費用・維持コストを、初期費用から年間コストまでわかりやすくまとめます。
◆ 初期費用編:購入時にかかるお金
不動産を購入する際には、「物件価格」以外に以下の諸費用がかかります。
■ 1. 仲介手数料
不動産会社への報酬。
目安:物件価格の3% + 6万円(+消費税)
例)1億円の物件なら約396万円(税込)
■ 2. 登記関連費用(司法書士費用含む)
所有権移転登記など。
目安:20〜30万円程度
■ 3. 固定資産取得税(不動産取得税)
購入後に1回だけ発生。
目安:評価額の約3〜4%(軽減措置あり)
■ 4. 印紙税
売買契約書に貼付。
目安:1〜6万円(物件価格により変動)
■ 5. 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
購入月の翌月から支払いが発生。
目安:月額1万〜5万円
◆ 年間維持費編:所有後にかかるお金
■ 1. 固定資産税+都市計画税
毎年1回課税される、日本国内で最も重要な不動産税。
- 税率:固定資産税 1.4%、都市計画税 0.3%(最大)
- 計:約評価額の1.7%以内
※評価額は市場価格より安く、実質的には**時価の0.6〜0.8%**程度になることが多いです。
■ 2. 管理費・修繕積立金(マンション)
マンションの場合、共用部分の維持管理に必要。
月額:合計2万〜5万円が相場
■ 3. 賃貸運用時の所得税(収入がある場合のみ)
賃貸に出した場合、年間収入から必要経費を差し引いた金額に対して課税。
- 税率は15%〜最大45%(累進課税)
- 海外在住者は「20.42%の源泉徴収」+「確定申告」対応が必要
◆ 売却時にかかる税金
日本の不動産を将来売却する場合、以下の税金が発生します。
■ 1. 譲渡所得税(売却益が出た場合)
- 所有5年以下:約39%(短期)
- 所有5年超:約20%(長期)
※経費や減価償却、仲介手数料などを控除可能
◆ タイとの比較:日本は予測しやすく、透明性が高い
日本の不動産取引は、
✅ 税金や費用が国の法律で明確に定められている
✅ 仲介・登記・管理のプロが分業して対応
✅ 外国人向けサポート(翻訳・説明)が充実
そのため、「トータルでいくらかかるか」が事前に正確に予測できるという大きな安心があります。
◆ まとめ:「不動産投資=価格」ではなく「トータルコスト」が重要
物件価格だけを見るのではなく、**「取得コスト」「維持費」「税制」「出口コスト」**まで含めた判断が、資産形成では最も重要です。
日本の不動産は、制度が整備されており、**“透明でわかりやすいコスト構造”**が最大の魅力のひとつ。
タイ人富裕層にとっても、「安心して長期保有できる不動産」として、日本は非常に有利な選択肢となっています。