2025/07/03
ローソンのスイーツ、もはやコンビニのレベルじゃない

日本に滞在中、ふと甘いものが欲しくなって立ち寄ったローソン。コンビニという言葉から想像するスイーツのクオリティを、軽々と超えてくるショーケースがそこにはあった。小ぶりで美しく整ったケーキやプリン、和洋折衷のデザートたち。値札を見ると驚くほど手頃な価格。それでいて、食べてみると専門店顔負けの味がする。ローソンのスイーツは、まさに“日常に潜む高級感”だった。

最初に手に取ったのは、シンプルなカスタードプリン。スプーンを入れると、とろりとやわらかく、口に含むと優しい甘さが広がる。滑らかな舌触りと控えめなカラメルの苦味が絶妙で、何気なく食べたにもかかわらず、あっという間に完食してしまった。驚いたのはそのあとで、パッケージを見ると「Uchi Café(ウチカフェ)」と書かれていた。

ローソンのスイーツブランド「ウチカフェ」は、まさに自宅でカフェ気分を楽しむためのシリーズ。定番のロールケーキをはじめ、シュークリーム、モンブラン、ティラミス、ショコラ系スイーツなど、幅広いラインナップが展開されている。素材や製法にこだわりがあり、北海道産の生クリームやベルギー産のチョコレートなど、コンビニスイーツとは思えない本格的な原料が使われている。

中でも注目すべきは“生クリーム”の美味しさ。甘さ控えめでミルクの風味が豊かに感じられ、スイーツ全体の印象をぐっと引き上げてくれる。ケーキのスポンジやタルト生地との相性もよく、バランスのとれた味わいに仕上がっている。冷蔵庫でしっかりと温度管理されており、時間が経っても味が落ちにくい点も優秀だ。

期間限定商品や地域限定スイーツも多く、行くたびに違う発見があるのも楽しみのひとつ。桜の季節にはピンク色の和風デザート、夏には柑橘系のゼリーや冷たいムース、秋には栗やさつまいもを使った濃厚な味わい、冬にはチョコレートや苺をふんだんに使った華やかな一品が登場する。その季節感もまた、日本らしい楽しみ方のひとつである。

ローソンは全国に店舗があるため、観光地から少し離れたエリアでも気軽に立ち寄れる。ホテルの近くや駅前、ちょっとした休憩の合間にも購入でき、包装も丁寧で持ち運びやすい。イートインスペースのある店舗なら、買ってすぐその場で味わうこともできる。

価格はだいたい150円から300円程度。クオリティを考えると、むしろ安すぎると感じるほどである。1日頑張ったご褒美に、または旅先でのちょっとした贅沢に。財布にやさしく、それでいてしっかりと満足感を与えてくれる。これが日本のコンビニスイーツの実力なのだと、実感せずにはいられない。

ローソンのスイーツは、もはや“コンビニだから”という枠では語れない。味、見た目、価格、手に取りやすさ。そのすべてにおいて、日常と非日常のちょうど真ん中を捉えている。旅の合間にひと息つきたいとき、何か甘いもので心を整えたいとき。コンビニの棚に並ぶその一品が、意外なほどの癒しをもたらしてくれる。

次に日本を訪れるときも、またローソンのスイーツコーナーをのぞきたくなるだろう。そこで待っているのは、価格以上の驚きと、舌に残る記憶。そして何より、“また食べたい”と思わせてくれる確かな満足である。