2025/05/23
円安の今、日本不動産は“世界で一番お得な資産”か?

2020年代に入り、円安が長期化するなかで、世界の富裕層たちは新たな「割安な安全資産」を探しはじめている。そして今、その視線が静かに、日本の不動産へと向けられている。

かつては「観光」「グルメ」「四季の国」として知られていた日本が、いま「資産防衛と投資効率のための拠点」として再評価されているのだ。

この記事では、円安という経済環境下で、日本の不動産がなぜ“世界で一番お得な資産”と呼ばれるようになっているのか、その裏にある構造とチャンスを紐解いていく。


■ 為替レートの変動が生む「実質値下げ」

たとえば、ある港区の高級マンション。2020年時点で2億円だった物件は、2025年現在も2億円前後で販売されている。しかし、2020年の為替レートが1ドル=105円前後だったのに対し、現在は150円前後。つまり、同じ物件が“ドル換算で30〜35%安くなっている”のだ。

これは、表面的には価格が変わっていなくても、実質的に「ディスカウント」されていることに等しい。シンガポール、タイ、香港など、比較的通貨が安定している国の投資家にとって、日本の不動産は“割安で安全な避難先”として極めて魅力的に映っている。


■ 「円安 × 高品質」が唯一無二の投資条件

安いだけの不動産なら他国にも存在する。しかし、日本の不動産は“価格と品質のバランス”において、世界的に突出している。

耐震構造、防音、管理体制、共用施設の清潔さ、日本人の住まいに対する美意識──。こうした“細部のクオリティ”が、他のアジア諸国にはない安心感を提供している。

特に高級マンションでは、24時間有人管理、防災備蓄、温泉設備、ラウンジ、フィットネスジム、住人限定のセキュリティ仕様などが標準装備されており、これはロンドンや香港では数倍のコストがかかる水準だ。


■ 富裕層の“資産分散先”としての日本

世界の富裕層は、投資の世界において「通貨リスクの分散」「地政学リスクのヘッジ」「法制度の安定性」を重要視する。日本は、そのすべてを満たす国のひとつだ。

通貨分散:円という非ドル圏通貨に資産を移すことで、ドル資産のリスクヘッジになる

政治的安定:東アジアにおいて最も内政が安定しており、制度変更も予測しやすい

相続・贈与への対策:税制度が明確で、対策設計が容易

特に、長期保有を前提とした「コア資産」としての不動産を探している人にとって、日本は非常に“読みやすく、安全な選択肢”なのである。


■ 「実需」もあるから価格が安定している

日本の不動産市場の安定性は、“日本人自身が実需として買っている”ことに起因する。

たとえば、東京・大阪・福岡などの大都市では、人口が集中しており、居住用としての需要が強い。つまり、投資家が引いたとしても価格が暴落しづらい構造がある。これが、バブル的に外国人マネーだけで膨れ上がった都市(例:バンクーバーやドバイ)とは根本的に異なる点だ。

実需ベースで底堅く支えられているからこそ、富裕層は「いつでも売れる」「貸しても利回りが取れる」と安心して購入できる。


■ 今こそ“長期保有型”で動くべきタイミング

円安で“買いやすく”、日本の不動産市場は“落ちにくい”。この2つの条件が同時に揃うタイミングは歴史上、そう多くはない。

特に都心部の一等地は、供給自体が限られており、再開発や地価上昇の波が来れば、為替に関係なく価格は上昇する。また、将来的に円高に戻った場合、為替差益という“二重の利益”が生まれる可能性もある。


■ まとめ──“価格”ではなく“価値”を見る人のための資産

日本の不動産は、価格が目立たないぶん、世界の富裕層にとっては「知る人ぞ知る」お得な選択肢だ。だが本質は“安さ”ではない。“高品質を、適正価格で長期保有できる”という点にある。

これほど安定して、文化的にも美しく、法制度も整っている国は、世界にそう多くはない。

円安の今だからこそ、日本の不動産は“世界で一番お得な資産”といえるのだ。