“2億円あれば、どんな家が買えるか?”
このシンプルな問いに、国によって答えは大きく異なる。富裕層にとって、金額よりもそのお金で「何が得られるか」**が最も重要な判断基準だ。
バンコク、シンガポール、香港、そして東京──。
同じ2億円という予算で、都市ごとにどう違うのか?
そして、「最も投資効果が高く、満足度が得られる都市」はどこなのか?
この記事では、世界の主要都市を比較しながら、“2億円の本当の価値”を見極めていく。
■ 【バンコク】──ラグジュアリーの即物感、でも価格は上昇中
バンコクでは、2億円(約4,800万バーツ)あれば、都心のスクンビットエリア(トンロー、プロンポン)で最上級のコンドミニアムが手に入る。
- 面積:150〜200㎡(3〜4ベッドルーム)
- 築浅、ジム・プール付き、ホテル並みのラウンジあり
- ペントハウスや角部屋も視野に入る
ただし課題は、“価格上昇の天井感”と“外国人購入比率の高さ”。2020年代に入り、中心部の土地価格は高止まりしており、投資リターンが鈍化し始めている。加えて、外国人所有者が多いため、市場全体が投資目的に依存しやすく、下落リスクを抱えやすい構造になっている。
■ 【シンガポール】──法規制と競争力の狭間で買いづらい都市
シンガポールでは、外国人が2億円(約180万SGD)で買える物件は限られている。
- 外国人に対する印紙税(ABSD)が非常に高額(最大60%)
- 土地付き一戸建てはほぼ購入不可(政府制限)
- 高層コンドで80〜100㎡が上限、中心部では築年数が古くなる傾向
結果的に、“2億円の購入力”は非常に小さく、“買う”という行為そのものにハードルがある。法人スキームやPR保持者(永住権)でなければ、長期的な運用も難しい。
■ 【香港】──利便性は最強、だが“投資”というより“課税対象”
香港の住宅市場は、世界で最も高騰している都市のひとつ。
2億円(約1,000万HKD)では、せいぜい中心部の40〜60㎡程度の1LDKが限界だ。
- 新築コンドは競争が激しく、プレビルド(建設前販売)への抽選参加が必要
- 税制が極めて厳しく、外国人購入にはスタンプデューティ+追加税が重なる
- 持っているだけで課税される“空き家税”なども導入されており、長期保有の旨味が薄い
つまり、「住むため」ではなく、「とりあえず買っておく」には向かない都市になっている。
■ 【東京】──“控えめな価格”と“高すぎる生活品質”
では、2億円で東京では何が買えるのか?答えは、非常に満足度が高い選択肢だ。
- 港区・渋谷区の築浅マンション(70〜90㎡/2LDK〜3LDK)
- 高層階・都心ビュー・専用コンシェルジュつき
- 駅徒歩5分以内でインターナショナルスクールや商業施設が揃う環境
- 築浅のタワーレジデンスで、資産価値の下落が極めて小さい
さらに特筆すべきは、圧倒的な生活インフラの整備。
食、水、空気、清掃、治安、医療、公共交通──どれもが世界標準を大きく上回っており、「資産価値」以上に「人生の満足値」が高いのが特徴である。
■ 投資視点から見た「2億円の価値の最大化」
- バンコク:短期回転型、利回りを狙うならあり。ただし出口リスクあり
- シンガポール:税制と規制で自由度が低く、“買える人”が限られる
- 香港:キャピタルゲイン狙いは厳しい。自用向きだが、価格効率が悪い
- 東京:流動性・保守性・生活品質・税制度のバランスが非常に良く、長期保有型のハイバランス投資に最適
■ まとめ──「同じ2億円」でも、“得られる未来”が違う
あなたの2億円は、広さや眺望だけでなく、安心・制度・文化・暮らしの質をどれだけ得られるかで、その“価値”が決まる。
そして、東京にはそのすべてがバランスよく整っている。
「単に買える」ではなく、「買った先に未来がある」都市──
それが、日本・東京なのだ。