2025/06/19
引越し前にしておくべき住所変更チェックリスト

新生活のスタートに欠かせない「引越し」。物件の契約、荷造り、ライフラインの手配などやることは多いが、見落とされがちなのが“住所変更手続き”である。

手続きを怠ると、重要な書類や荷物が前の住所に届いたり、支払い通知が滞ったり、思わぬトラブルの原因にもなりかねない。

この記事では、引越し前後にしておくべき住所変更関連の手続きをリスト化し、それぞれのタイミングと方法をわかりやすく解説する。


引越し前〜直後に優先して行うべき住所変更リスト

✅ 1. 郵便局への転送届(必須)

手続き時期:引越しの1週間前までに済ませるのが理想

【理由】:郵便局の「転送サービス」は、旧住所に届いた郵便物を1年間、新住所へ無料で転送してくれる。どんなに完璧に住所変更しても、うっかり旧住所に送られてしまうことがあるため、転送届は“保険”として絶対に出しておくべき。

【方法】:

  • インターネット(e転居)または郵便局窓口で申請

  • 本人確認が必要(運転免許証など)


✅ 2. 市区町村役所での「住民異動届」

【手続き時期】:

  • 転出届(引越し前の自治体):引越しの14日前から提出可能

  • 転入届(引越し先の自治体):引越し後14日以内に提出

【理由】:住民票が変更されていないと、行政手続き(健康保険・印鑑登録・選挙など)に支障が出る。遅れると過料(罰金)の対象になることもある。

【必要書類】:

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)

  • 印鑑(自治体によっては不要)

  • 国民健康保険証(加入者のみ)


✅ 3. ライフライン(電気・ガス・水道)

【手続き時期】:引越しの1〜2週間前が目安

【理由】:開通・停止には立会いや日時予約が必要な場合が多く、直前では希望日に手配できないことがある。

【注意点】:

  • ガスは「開栓時に立会い」が必要なことが多い

  • 解約・契約どちらも忘れずに行う

  • 支払い方法(口座振替・クレジットなど)の再設定も忘れずに


✅ 4. 運転免許証の住所変更

【手続き時期】:引越し後速やかに(法律上は“速やかに”と規定)

【手続き場所】:新住所の管轄警察署または運転免許センター

【必要書類】:

  • 運転免許証

  • 新住所を確認できるもの(住民票、マイナンバーカードなど)

  • 印鑑(自治体によっては不要)


✅ 5. 銀行・クレジットカード・金融機関

【手続き時期】:引越し後1週間以内を目安に順次行う

【理由】:住所不一致があると、カードの再発行や更新書類が届かなくなる可能性がある。

【方法】:多くはネットバンキングまたはアプリから変更可能
(例:三菱UFJ、楽天、PayPay銀行など)

【注意点】:銀行によっては“住民票コピーの郵送”を求められることもある


✅ 6. 携帯電話・インターネット契約

【手続き時期】:引越し1〜2週間前が理想

【理由】:工事日予約やSIMの再発行など時間がかかることもある。特にインターネットの引越しは早めにしないと空白期間が発生しやすい。

【手続き方法】:

  • 各社のマイページ・アプリで変更可(docomo、au、SoftBankなど)

  • ネット回線は、開通まで2〜3週間かかることもあるため早めに手配


✅ 7. 健康保険・年金関連

【対象者】:

  • 国民健康保険・国民年金に加入している方(会社員は職場が手続き)

【必要書類】:転出・転入届と同時に手続き可能(市区町村役所で行う)


✅ 8. マイナンバー(個人番号カード)

【手続き時期】:引越し後14日以内

【理由】:マイナンバーカードは「住所記載が必要な公的証明書」なので、住所変更手続きをしないと使用できなくなる。

【手続き場所】:新住所の市区町村役所
【必要書類】:マイナンバーカード本体


✅ 9. 保険(生命・火災・自動車など)

【手続き時期】:引越し後2週間以内

【理由】:火災保険や自動車保険は、「契約住所が保険対象」になるため、引越し後に変更しないと保険の適用が無効になる可能性がある。


✅ 10. ECサイト・通販・定期購入サービス

【例】:Amazon、楽天、Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWN、定期便など

【タイミング】:注文前に「登録住所」と「配送先住所」の両方を確認・修正しておく


忘れがちな“住所変更対象”チェックリスト

  • 雇用先(給与明細・年末調整)

  • 学校・保育園・幼稚園(連絡帳・緊急連絡先)

  • サブスク(Netflix、Spotifyなどは請求先に注意)

  • 雑誌・新聞などの定期購読

  • 図書館カード・会員制ジム・レンタルビデオカードなど


住所変更は「前倒し・一括・記録」がコツ

✅ 前倒しでできるものは、引越し前に準備しておく

 → 郵便転送、ライフライン、ネット回線など

✅ 一括で済むものはまとめて処理

 → 市役所での転入・保険・マイナンバー変更など

✅ 手続き状況をメモやチェックリストに記録

 → いつ・どこに・何を変更したかを記録しておくと安心


住所変更は「生活の再起動スイッチ」

引越しとは、ただ場所を移すだけでなく、生活に関わるすべての“登録情報”をリセット・再構成するイベントでもある。
少し手間はかかるが、ひとつひとつ丁寧に整理することで、トラブルや無駄な出費を防ぐことができる。

新居での生活をスムーズにスタートさせるために、住所変更は“やっておいて良かった”と必ず思える作業のひとつ。この記事のリストを参考に、ぜひ一つずつ確実にチェックしてほしい。