2025/05/23
日本のマンションは50年後も価値があるって本当?

「マンションは年数が経てば価値が下がる」——これは、世界の常識かもしれません。

しかし、日本の都市部、特に東京や大阪では、その常識が少しずつ変わり始めています。

実際、日本の新築マンション価格は年々上昇し続け、中古マンションでも築30年を超えてなお値上がりしている物件が増えています。

では、なぜ“時間が経っても資産価値が残る”どころか“上がる”ことすらあるのでしょうか?


ポイントは「場所・管理・法制度」

日本の不動産市場では、物件の価値を決める大きな要素が次の3つです:

  1. 立地(駅近・都心・人気エリア)
  2. 管理体制(修繕・維持・共有部の清潔さ)
  3. 法制度(区分所有・管理組合法など)

特に「立地の強さ」は時間が経つほど真価を発揮します。東京・港区、西麻布、代官山などは、「もう新しい土地が出ない=供給が増えない」ため、中古であっても需要が集中し価格が保たれるのです。


50年後を見据えた「設計と管理」

日本のマンションは、新築時から50年〜60年の長期使用を想定して設計されているのが一般的です。

さらに、その設計寿命を超えても価値を保てるのは、**日々の“管理の質”**によるものです。

・エレベーターの定期点検

・外壁の塗り直しやタイル補修

・植栽の手入れ、共有廊下の清掃

・長期修繕計画と積立金制度の運用

これらが徹底されている日本のマンションは、築年数が経っても**「古い」ではなく「風格がある」物件**として扱われるようになります。


日本特有の“管理組合制度”が資産を守る

多くの国では、マンション購入後の管理は個人や不透明な業者に委ねられがちですが、日本には法制度として**「管理組合(オーナーによる自治運営)」の仕組み**があります。

各住民が一定の責任を持ち、毎年の総会で管理費や修繕計画を話し合い、必要に応じて外部の管理会社を選定。

この**“住民自身が資産を守る文化”**が、建物の価値を長期にわたって維持する基盤となっているのです。


築30年、40年でなお人気のエリアとは?

例えば、東京の青山や広尾、文京区では、築40年でも坪単価が新築並みのマンションが少なくありません。

なぜなら、こうした物件は以下を満たしているからです:

  • 都心で駅徒歩5分以内
  • 有名なゼネコン施工(鹿島・清水など)
  • 住民の質が高く、管理が行き届いている
  • 外観も美しく、劣化を感じさせない

つまり、“築年数ではなく管理年数”が問われる時代に入っているのです。


タイとのギャップ:築20年で解体されるコンド?

一方タイでは、築20年を超えると外観の劣化や設備の陳腐化が進み、価値が大幅に下がるのが一般的です。

さらに、管理組合が機能していなかったり、修繕が後回しになることで「売却も難しい」というケースもあります。

その点、日本の不動産は「50年使える・50年売れる・50年住める」構造と仕組みがあるため、“時間とともに価値が落ちる不安”が少ない投資先として支持されているのです。


長期資産としての信頼

日本のマンションは、金融商品としても評価されています。

多くの富裕層が、**「子どもに残せる」「相続しやすい」「老後に売却・賃貸で活用できる」**という観点から、長期保有前提で購入しています。

まさに、**“50年使える不動産”=“50年守られる資産”**という、新しい常識が生まれているのです。