海外の富裕層にとって、日本の不動産は「単なる居住空間」ではなく、**長期的に安定保有できる“資産”**として注目されています。しかし、どの物件でも資産価値が保たれるわけではありません。
本記事では、日本の不動産を“資産”としてしっかり保有し続けるために必要な5つの条件を解説します。
■ 条件①「立地」── 不動産の価値は場所が9割
日本に限らず不動産投資において最重要なのが「立地」です。
特に資産として保有することを考えるなら、**「都心」「駅近」「人気エリア」**は絶対条件です。
東京であれば、以下のようなエリアが安定した人気と資産価値を保っています:
- 港区(南麻布、元麻布、六本木、白金)
- 渋谷区(広尾、代官山、恵比寿)
- 千代田区(番町、麹町、神田)
- 中央区(銀座、築地、日本橋)
これらは再開発や大規模プロジェクトの恩恵を受けやすく、価格の下落リスクも低い傾向にあります。
■ 条件②「築年数と構造」── 新しさより“性能”と“管理”
築年数が新しい=安全ではありません。日本の建築基準は1981年に大幅改正され、以降の物件は「新耐震基準」に対応しています。
また、2000年以降の物件は建築品質がより安定しており、保有資産としておすすめです。
それより重要なのが構造と管理体制:
- RC造(鉄筋コンクリート)かSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)
- 長期修繕計画があるか
- 管理組合の機能がしっかりしているか
こうした条件がそろっていれば、築10〜20年程度の物件でも資産性は高く維持されます。
■ 条件③「管理状態」── 共用部の美しさは資産価値に直結
日本の高級マンションは、共用部分の清潔さや管理品質が非常に高いです。
エントランス、エレベーター、廊下、ゴミ置き場などが常に整っていれば、資産としての信頼感が上がり、将来の売却時にもプラス要素になります。
以下のようなポイントをチェックしましょう:
- コンシェルジュ常駐の有無
- 防犯カメラ・セキュリティ体制
- 清掃・点検の頻度
- 修繕積立金の運用状況
■ 条件④「流動性」── 売りたい時に売れるか?
資産とは、「必要なときに換金できる」からこそ資産です。
流動性がある=買い手がすぐに見つかる物件には共通点があります:
- 人気エリアにある
- 坪数が一般的でリセールしやすい(例:40〜80㎡)
- 外国人にも人気がある
- 築浅 or 管理状態が優良
逆に、広すぎる、特殊な間取り、築古すぎるなどの物件は、資産として持つには向いていません。
■ 条件⑤「税務・管理の体制を整えておく」
不動産は「持つだけ」で毎年税金がかかる資産です。
海外在住のまま保有する場合は、以下の体制を整えておくことが前提となります:
- 納税管理人の設置(日本国内)
- 税理士との契約(確定申告や所得税処理)
- 管理会社との連携(空室時対応、修繕手配など)
これらを放置すると、納税トラブルや資産価値の劣化につながります。
■ まとめ:「住む」ではなく「持つ」ための基準を
日本の不動産は、制度が安定し、災害リスクも比較的低いため、世界的に見ても資産保有先として非常に優秀です。
ただし、それを真の“資産”に昇華させるには、単なる立地や価格ではなく、「保有のしやすさ」「換金性」「管理体制」までを含めた総合的な視点が必要です。
住むためではなく、“持つための物件選び”をすること。
それが、これからの国際富裕層に求められる不動産戦略です。