「東京のペントハウス」と聞いて、あなたはどんなイメージを持つだろうか?高層ビルの最上階。都心のきらびやかな夜景。セキュリティとプライバシーが確保された空間。世界の富裕層の間で、今、東京のペントハウスに対する注目が高まっている。
その理由は単なる「贅沢」だけではない。日本、そして東京の不動産市場が持つ“独自の価値”に、海外の富裕層が気づきはじめているからだ。
■ 世界の富裕層が“東京”に注目する理由
ニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポール…。世界の富裕層に人気の都市は数あれど、なぜ今、東京がその選択肢に急浮上しているのか?
第一に、「円安」という経済背景が大きい。特に2020年代以降、日本円の価値はアジア圏の通貨と比べて相対的に下がっている。たとえば、1億円の物件は、2020年と比較して30%近く“安く買える”ような状態だ。これは日本人にとってはあまりうれしい状況ではないかもしれないが、海外富裕層から見れば“バーゲンセール”に等しい。
第二に、「安全性」と「文化的豊かさ」がセットで得られるという点。東京は、世界でも屈指の治安の良さを誇り、地震リスクに備えた建築基準も極めて高い。さらに、ミシュランガイドに最も掲載される都市でもあり、食、アート、ファッション、文化のすべてが世界最高レベルに凝縮されている都市だ。
■ ペントハウスの“特別性”と“希少性”
東京のペントハウスの魅力は、その“唯一無二の体験”にある。
まず、物理的な希少性。日本の都市計画は高さ制限や日照権、景観条例など、建築に対する規制が非常に厳しい。そのため、都心のど真ん中に高層ビルが建つこと自体が珍しい。さらに、そのビルの最上階に1部屋だけ用意されたペントハウスは、文字通り「空に最も近い住まい」と言える。
一例を挙げよう。港区・南青山にあるある高級マンション。そのペントハウスは約180㎡、価格はおよそ10億円。リビングからは東京タワーとスカイツリーの両方が見える。ワンフロア独占で、エレベーターも専用設計。まるで都市の中に自分だけの王国を持っているような感覚だ。
この“所有すること自体がステータス”となる不動産こそ、富裕層が東京のペントハウスに惹かれる理由の一つである。
■ 資産としての安定性と魅力
東京のペントハウスは、単なる住まいではない。資産価値の安定性という意味でも非常に優れている。
東京は人口減少が叫ばれて久しいが、実は23区、とくに港区・渋谷区・千代田区などの都心部は今も人口が微増している。企業の本社や国際的な教育機関、商業施設が集中する都心の不動産は、長期的に見ても“価値が下がりにくい”。さらに、2020年代以降、国内の富裕層も都市中心部への回帰が進み、プレミアム物件は今後も高値で取引される傾向が続くと見られている。
また、日本の相続税・固定資産税は他国に比べて意外と低く、長期保有に向いている。海外富裕層にとって、日本の高級不動産は“利回り”よりも“保有して美しい”資産と捉えられつつあるのだ。
■ “世界の都市”としての東京
最後に──東京という都市の“伸びしろ”にも注目したい。
世界の大都市の中で、まだこれだけ“割安”なペントハウスが買える場所は、実は東京くらいだ。ニューヨークのマンハッタンでは、同じ広さの物件が2倍以上の価格で売られているのが普通だし、シンガポールや香港では、土地自体が希少すぎて、そもそも広さのある物件がほとんどない。
いま東京は、資産性・文化・生活水準すべてが高水準で揃っている都市として、改めて脚光を浴びている。しかも、それが“買える価格”で提供されている。
東京のペントハウスは、単なる住まいではない。それは、世界中の富裕層にとって「未来への鍵」ともいえる存在なのかもしれない。