「東京の不動産、値上がりしすぎじゃない?」
「今から買っても、もう遅いのでは?」
そう疑問を抱く投資家や富裕層は少なくない。特にここ数年、東京の一等地を中心に不動産価格が大きく上昇し、「バブルではないか?」という声が国内外でささやかれている。
だが一方で、冷静にデータを読み解けば、東京は“過熱したバブル”とは真逆の、むしろ“まだ割安な都市”だという現実が浮かび上がってくる。
果たして東京はバブルなのか、それとも世界の中で“最後の買い場”なのか。
今回は、価格、収益性、需給バランス、国際比較からその答えを探る。
■ 表面的な“高騰”だけを見てはいけない
確かに、東京の都心部──特に港区・千代田区・渋谷区などでは、2020年以降にマンション価格が1.3〜1.5倍に上昇している物件もある。
これはコロナ禍での金融緩和や円安、都心回帰の流れなどが重なった結果であり、「急激な値上がり」に見えるのは事実だ。
だが重要なのは、「それが実需に基づいた上昇かどうか」という点。
- 中古市場でも高値取引が成立している
- 売れ残り在庫が少なく、需要に追いついていない
- 新築供給が抑えられており、土地の確保が難しい
つまり、**バブルにありがちな“売り手だけが踊っている状態”ではなく、“本当に住みたい・買いたい人がついてきている相場”**なのである。
■ 世界の都市と比べれば、東京はまだ“安い”
この事実を裏付けるのが、国際比較データだ。
都市 | 中心部の㎡単価(おおよそ) |
---|---|
香港 | 約300〜500万円 |
ロンドン | 約250〜400万円 |
ニューヨーク | 約220〜350万円 |
シンガポール | 約200〜300万円 |
東京(港区) | 約150〜200万円 |
つまり、東京は世界の一等都市の中でまだ最も“割安”に高品質な住宅が買える都市なのだ。
加えて、日本円の為替水準(円安)を考慮すれば、外国人投資家から見て“実質ディスカウント状態”と言っても過言ではない。
■ 利回り・維持費から見る“実力”
不動産は価格だけでなく、保有中の収益性と維持コストのバランスも重要だ。
- 東京都心部の表面利回り:2.5〜4.0%(高級帯でも)
- 固定資産税:実勢価格の0.1〜0.3%程度(年)
- 管理・修繕費:透明かつ安価、長期修繕計画も整備されている
これに対して、例えば香港やバンクーバーでは利回りが1〜2%台で、固定資産税や空き家税も重い。
つまり東京は、「地味に見えて、長く持つほど効率が良い」市場。
バブルではなく、“安定して稼げる実力派”の都市型資産なのだ。
■ “最後の割安都市”としてのポテンシャル
今後、東京の価格がさらに上昇する可能性はあるか?
答えはYESだ。
- 港区・中央区を中心とした再開発(虎ノ門・麻布台・八重洲など)が進行中
- 海外投資マネーの流入は今後本格化(特にタイ・シンガポール・台湾から)
- 円安が続けば、**外貨投資における“最大の買い場”**になる
また、東京は今後も人口集中が見込まれており、少子化社会においても「選ばれる都市」であり続ける可能性が高い。
■ まとめ──バブルではない、“時間をかけて育つ資産”
「価格が上がったから、バブル」ではない。
「価値が伴わずに上がっているもの」がバブルだ。
東京の不動産は、価格の裏に**制度・文化・安全・管理品質・生活環境といった“本質的な価値”**が備わっている。
そして、その価値はまだ、世界的に見れば正しく評価されていない部分も多い。
つまり今こそ、“最後の割安資産”としての東京を見直すべきタイミングなのだ。