東京から東海道新幹線でわずか40分。静岡県・熱海を起点とする伊豆半島は、温泉と海、美食と絶景が揃った“楽園”のようなエリアだ。北の熱海から中部の伊豆高原、南端の下田までを巡る3泊4日の旅は、ゆったりとした時間の中で、それぞれの町が持つ異なる魅力を味わうことができる。
【1日目:熱海で海辺と温泉を満喫】
旅のスタートは熱海。到着後すぐに感じるのは、駅を出て広がる海の近さと、温泉街のにぎわいだ。商店街で地元グルメを食べ歩きながら、海岸沿いの遊歩道「サンビーチ」へ向かえば、ヤシの木が並ぶ南国のような景色が広がる。夕方には「熱海城」からの眺望や、熱海梅園の散策もおすすめ。
宿泊は海を望む温泉旅館へ。露天風呂から相模湾を眺めながらの入浴は、旅の幕開けにふさわしい贅沢なひとときとなる。
【2日目:伊豆高原の自然と文化に触れる】
朝食後は伊豆急行で南へ向かい、伊豆高原へ。大室山のリフトで火山跡の山頂に登ると、360度の大パノラマが広がる。天候が良ければ富士山や伊豆諸島まで望め、自然の雄大さに包まれる時間が味わえる。
その後は「伊豆シャボテン動物公園」や「城ヶ崎海岸」での断崖散策など、アクティブな観光も楽しめる。夜は伊豆高原エリアの宿に泊まり、地元の魚介や金目鯛を使った料理を堪能。静かな山の宿で、熱海とはまた違った“静寂の温泉”を満喫できる。
【3日目:下田の歴史と青い海へ】
旅の後半はさらに南下し、下田へ。江戸時代末期に開港された港町として知られる下田は、歴史と異国情緒が混じり合う街並みが魅力だ。「ペリーロード」を歩けば、開国の面影を残す洋館や石畳の小路が続く。
午後は白い砂浜が美しい「白浜大浜海岸」でのんびり過ごすのがおすすめ。夏は海水浴客でにぎわい、春や秋でも浜辺の散歩や波の音に癒される時間が過ごせる。宿泊はオーシャンビューの温泉宿で、水平線に沈む夕陽とともに旅のクライマックスを迎える。
【4日目:海辺の朝と、のんびり東京へ】
最終日は下田の港近くで朝市を楽しんだ後、伊豆急・JRを乗り継いで東京方面へ。帰り道に「河津桜」や「修善寺」など途中下車スポットを挟むこともでき、最後まで飽きのこない旅路となる。
伊豆は、海と山、温泉と文化、にぎわいと静けさのバランスが取れたエリア。それぞれの地域に滞在することで、その違いと魅力がより深く染み入ってくる。短い休暇でも、3泊あれば十分に心がほどけていく──東京から気軽に向かえる“楽園のような日本”が、ここにはある。