2025/05/22
都心 vs 郊外──日本不動産“本当の勝者”はどこか?

「東京の都心に住むべきか、それとも自然に囲まれた郊外を選ぶべきか?」

これは、外国人富裕層だけでなく、日本人でも長年議論されてきた不動産テーマだ。

特にここ数年、コロナ禍を経てリモートワークが一般化し、「郊外回帰」の流れが生まれた一方で、都心の資産価値はなお強固に保たれている。

果たして今、不動産資産として“勝っている”のは都心か?それとも郊外か?

投資、生活、流動性という3つの視点から、“本当の勝者”を探っていく。


■ 【都心】圧倒的な「資産価値の安定性」

まず、港区・渋谷区・千代田区・中央区・新宿区といった東京23区の中心エリアは、依然として日本不動産の中核をなしている。

  • 地価が高いため、値下がりしづらい
  • 外資企業・大使館・富裕層外国人の居住ニーズが絶えない
  • 駅近・高層・築浅マンションは資産価値が維持されやすい
  • 賃貸需要も強く、空室率が低い

たとえば、2020年のコロナショックでも都心の物件は一時的な下落後すぐに回復し、現在は過去最高水準の価格帯を記録している。

つまり、「価格の安定性」および「資産流動性」において、都心は依然として不動産投資の王者と言っていいだろう。


■ 【郊外】コストパフォーマンスと“暮らしの余白”

一方、神奈川(横浜・鎌倉・葉山)や千葉(柏・流山)・埼玉(大宮・所沢)などの郊外エリアも、この数年で評価が急上昇している。

  • 同じ価格で都心より広い面積(80〜100㎡以上)が手に入る
  • 緑や公園が多く、子育て・セカンドハウスに最適
  • 土地付き住宅が狙える
  • ローカルな飲食や文化が根づいており、生活満足度が高い

特に、週の半分を東京、もう半分を郊外で過ごすような「デュアルライフ(二拠点生活)」を送る富裕層も増えており、“家=資産”だけでなく“体験の場”として郊外が見直されている。


■ 投資としての「出口戦略」で見ると…

都心と郊外の最大の違いは、出口(売却・賃貸)の強さにある。

都心は外国人投資家・企業・富裕層ファミリーからの需要が安定しているため、いつでも“売れる・貸せる”物件が多い。

一方、郊外はエリアによって差が大きく、住宅ローンが使えない外国人には流動性に難があることも

つまり、「純粋な資産運用」として見るなら、都心はやはり強い。

ただし、以下のような人には郊外の方が向いている:

  • すでに都心に物件を持っており、別荘やセカンドハウスが欲しい
  • 家族中心の暮らしを重視し、ゆとりある住環境を優先したい
  • 所有後すぐに転売するつもりはなく、“住みながら資産化”を考えている

■ 「実需」と「資産性」のバランスで選ぶ時代

結局、今の時代は“どちらか一方”ではなく、“どう組み合わせるか”という考え方が主流になっている。

  • 都心:金融資産としての不動産
  • 郊外:ライフスタイル資産としての不動産

都心には「売れる安心」が、郊外には「暮らす幸福」がある。

この2つのバランスをどうとるかで、“不動産の活かし方”が変わるのだ。


■ まとめ──“勝者”は目的によって変わる

不動産において、最も重要なのは「誰が、どのような目的で、どこに買うか?」ということ。

・純投資で利回りと出口重視 → 都心

・セカンドハウス・家族のため → 郊外

・ハイブリッドでリスク分散 → 都心+郊外の2軸戦略

答えは一つではないが、確かなのは、東京という都市がそのすべての選択肢を提供できる場所だということ。

“勝者”を選ぶのではなく、“自分にとっての正解”を東京で見つけてほしい。