「ポケットに入れたはずなのに鍵がない…」
「どこかに置き忘れたかもしれない」
「バッグを落としたら一緒に鍵も…」
賃貸住宅で暮らしていると、こうした“鍵の紛失”は誰にでも起こり得るトラブルの一つ。慌ててしまいがちだが、正しい手順で冷静に対応することが重要だ。
この記事では、鍵を無くしたときにとるべき行動と、交換・開錠にかかる費用の目安、さらには費用負担の原則について実務的に解説する。
まず最初にすべきこと
✅ 1. 落ち着いて“探せる範囲”を徹底的に確認
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服・かばん・財布・傘の中
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玄関周り・ポスト・靴箱
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職場や立ち寄った店に連絡
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スマホの写真や地図アプリで行動履歴を振り返る
※スマホと連携できるキーファインダーを使っている場合はここで活用。
✅ 2. 管理会社・大家に連絡する
どうしても見つからない場合は、すぐに契約先の管理会社か貸主に連絡。
賃貸物件では、自己判断で鍵を壊したり交換したりするのはNG。勝手に開錠業者を呼ぶと、後から費用負担のトラブルになる可能性がある。
管理会社の営業時間外であれば、契約時に案内された「緊急連絡先」(夜間・休日対応サービスなど)に連絡する。
✅ 3. 警察に「遺失物届」を提出する
鍵を落とした可能性が高い場合は、最寄りの警察署・交番で遺失届を提出する。
番号の入ったタグや住所の特定につながる情報がついていれば、防犯上、鍵の交換が必要になる場合もある。
鍵を紛失した場合の費用の目安
鍵の種類や対応内容によって、かかる費用は大きく異なる。以下に代表的なパターンを示す。
対応内容 | 費用の目安(税別) | 備考 |
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開錠のみ | 8,000〜20,000円 | 業者手配・出張費込み |
鍵の交換(一般的なシリンダーキー) | 15,000〜25,000円 | 鍵2〜3本付き |
ディンプルキーの交換 | 20,000〜35,000円以上 | 高性能タイプで割高 |
電子ロック・カードキーの交換 | 30,000〜50,000円以上 | 専用メーカー対応が必要なことも |
玄関扉ごとの交換 | 50,000円〜10万円超 | ごく稀なケース |
※夜間・早朝の対応は**追加料金(5,000円〜)**がかかることもある。
鍵の紛失は「誰が費用を負担するのか?」
基本的に、鍵の紛失は借主(入居者)の過失とされるため、開錠費用・交換費用は原則として自己負担となる。
ただし、以下のような例外もある:
◯ 火災保険の付帯サービスでカバーできるケース
加入している火災保険や入居サポートサービスの中に、**「鍵の紛失・開錠サポート」**が含まれていることがある。
無料での開錠や費用補助が適用される場合もあるので、保険の補償内容を確認する価値あり。
◯ 管理会社の独自サポートで費用が一部軽減される場合
物件によっては、管理会社が提携業者を紹介して割引価格で対応する仕組みがある。
また、物件により「予備鍵の貸出制度」があるケースもある(要身分証・契約書提示)。
開錠・交換時に気をつけたいこと
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開錠作業は必ず立ち会いが必要(本人確認のため)
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部屋の中に入れてもらうためにドアを壊してはいけない
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鍵交換は“元の鍵を誰かが持っている可能性”があるときに実施すべき
→ 特に「住所が書かれた書類と一緒に鍵を紛失した」場合は防犯上、交換が強く推奨される。
予防策、今後のトラブル回避のために
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スペアキーを信頼できる家族・知人に預ける
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合鍵は鍵屋で作らず、管理会社に相談して正式に発行してもらう
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鍵の持ち歩き方を見直す(目立たないキーホルダー、バッグの内ポケット利用など)
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スマートロックやキーファインダーを活用する
最後に鍵の紛失は「冷静・迅速・正しい順序」で動くことが大切
鍵の紛失は、恥ずかしいことでも珍しいことでもない。
大切なのは、感情的にならず、まず管理会社へ報告し、然るべき対応を取ること。
費用がかかるのは避けられないかもしれないが、自己判断で無断交換・破壊・放置などをすれば、さらに大きなトラブルになる可能性もある。
もしもの備えとして、「鍵をなくしたときの行動フロー」をあらかじめ整理しておくだけでも、安心して日常を送ることができる。