2025/06/19
駐車場付き物件の落とし穴とは?別契約に要注意

賃貸物件を探す際に、自家用車を所有している人にとって「駐車場の有無」は重要な条件のひとつになる。物件情報に「駐車場あり」「敷地内駐車場完備」などと書かれていると、安心して契約に進もうと考える人も多い。

しかし、実際には「駐車場付き」と表示されていても、賃貸契約とは別に手続きが必要だったり、月額使用料が発生する、あるいは満車で使えないなどの落とし穴が存在することがある。

この記事では、駐車場付き物件を選ぶ際に注意すべきポイント、駐車場契約の実態、想定外のトラブルを防ぐために入居前に確認すべき内容を詳しく解説する。

「駐車場付き=無料」ではない

もっとも多い誤解は、「駐車場付き物件=無料で使える」という思い込みである。実際には、駐車場が「敷地内にある」ことを示しているだけであり、使用料が家賃に含まれているとは限らない。

駐車場の使用には、月額5000円から2万円程度の使用料が別途発生することが多く、地域や物件の立地条件、設備(屋根付き・シャッター付きなど)によって大きく異なる。

契約時には、「家賃は◯万円、駐車場使用料は別途◯円」と分けて提示されることが多いため、物件情報の家賃だけを見て予算を組むと、実際の支出が想定より多くなる可能性がある。

駐車場が「別契約」となる場合もある

物件によっては、部屋の賃貸契約と駐車場の契約が完全に別で行われるケースがある。この場合、以下のような特徴がある。

  • 駐車場契約書が別に用意されている

  • 賃貸契約と同時に契約できない

  • 駐車場の保証金や礼金が発生することがある

  • 解約や更新のタイミングが部屋と一致しない

特に注意すべきなのは、駐車場の契約が別会社(管理会社や外部オーナー)との契約である場合だ。この場合、部屋の契約が決まっても、駐車場の利用が保証されるとは限らない。満車になっていて契約できない、もしくは入居中に契約が解除されるリスクもある。

「駐車場空きあり」とあっても確約ではない

物件情報には「敷地内駐車場空きあり」と書かれていることがあるが、これはあくまで掲載時点の情報であり、問い合わせや内見の段階で空いているとは限らない。

不動産会社の担当者に「この部屋に駐車場はついていますか」「今空いていますか」「部屋を契約したら必ず使えますか」と明確に確認する必要がある。駐車場の空き状況が日々変動する場合もあるため、口頭だけでなく、書面やメールでの確認を残しておくと安心できる。

また、希望するサイズの車が入らない場合もあるため、自分の車のサイズ(長さ・幅・高さ)と、駐車場の寸法・高さ制限を事前にチェックすることが不可欠である。

敷地内ではなく「近隣月極」が案内されることもある

「駐車場付き」と書かれていても、実際には建物敷地内にスペースがないケースもある。このような場合、管理会社や不動産会社が「近隣の月極駐車場」を紹介してくれることがあるが、これも完全な別契約となる。

近隣駐車場は物件から徒歩数分離れていたり、舗装状況やセキュリティが異なることもある。また、更新の際に再契約できる保証はなく、他の人が契約してしまえば継続使用できないリスクがある。

部屋と駐車場が一体化していることを希望するのであれば、「専用駐車場付き」「セット契約が条件」などの文言が明記されている物件を優先して探すのが現実的である。

駐車場を利用しない場合も契約が必要?

一部の物件では、「駐車場の契約が入居条件になっている」ことがある。これは、敷地内に駐車場が設けられており、その維持管理のために全戸が契約するよう求められる形式である。

たとえば、入居者が車を所有していなくても、駐車場の使用料を毎月支払う必要がある。これは賃料と一緒に請求され、キャンセルすることができない。

このような物件では、事前に「駐車場の契約は任意か必須か」「使わない場合の料金はどうなるか」を必ず確認する必要がある。

解約や更新のタイミングにも注意

駐車場が部屋と別契約の場合、契約期間や更新の時期も異なることがある。たとえば、部屋は2年契約だが、駐車場は1年契約というケースでは、更新手続きが別に発生する。

また、部屋の退去が決まった後も、駐車場の解約手続きを別途行わなければ、退去後も利用料が発生してしまうこともある。解約の通知期限(1か月前など)が定められている場合には、そのルールを守らないと、余計な費用を請求されるリスクもある。

契約前に「駐車場の解約はどのような手続きか」「退去と同時に終了するか」を確認しておくことで、余計なトラブルを防ぐことができる。

自動車の種類・利用目的によって制限がある場合も

物件によっては、以下のような制限が設けられていることがある。

  • 大型車や車高の高い車は不可

  • トラックや商用車の駐車は禁止

  • 夜間のアイドリングや洗車は禁止

  • バイクの駐車は別契約

これらの制限は、住民同士のトラブルや騒音防止を目的としたものであり、契約時に説明されることがある。自分の使い方に合った条件かどうかを確認し、ルールに従って利用することが求められる。