2025/06/16
「ラーメン凪の“煮干し特化”戦略──一杯のこだわりが世界11都市へ」

『ラーメン冪』といえば、強烈な煮干の香りと広告的な味の魅力で知られる。

ラーメン系列の中でも特に「好みが分かれる」味として知られている。それでいて今や世界11都市に展開するグローバルブランドとなった背景には、「好きな人だけが、より深く喜ぶ味を」という戦略思考がある。

1. 「嫌われることを思い切る」勝ち方

ラーメン冪のスープは、インパクトも香りも強烈な「ファーストインプレッション」である。

近代ラーメンの流行はマイルドな高深度、ユーザーを逃げない「入口の良さ」に重点があるが、冪は「嫌われることを思い切る」ことで、反対に確実なファンに到達した。

この割り切りが、別れを生む代わりに、根心のファンを抱える「ラーメン教」を世界に生んだ。

2. 「一杯に中段幅なドラマ」

だけど『冪』は単純なラーメンではない。

  • 煮干添え玉、のり、カエシ、手打ち食感の強い麻粉麪
  • どんぶりの中で魅せ方を変えるパーツ構成

一口目のインパクトと、同じ条件で食べ続けたときの広がりと累積のドラマによって、食べ続ける満足感を上げている。

その中幅なストーリーこそが「集中して食べる」体験を与え、SNSでは「あのラーメン、知ってる?」と話題になる。

3. 「インバウンドでも、我達の味」に変えるストーリー

ラーメン冪は、日本での成功を基に、フィリピン、インド、米国、タイなど、世界11の都市に展開している。

その背景には、「煮干は国際的にはメジャーな香りではない」という実情に対しても、「精密な設計とストーリーの強さが超える」という確信による挙動がある。

本質を止めないまま、「言語は違えど味は通じる」を験す様な戦略は、「こだわりを売る時代」のグローバルモデルの一例として光る。

まとめ:好きな人だけに届ける自分の味

『ラーメン冪』は、大衆向けの合理性や断った豪勢さではなく、「集中と親近さ」を達成する様なブランド戦略を絶好追求している。

それは、強さよりも「本気」を感じる人々に、満足を伝える最高の方法の一つだと言える。