2025/06/28
富士五湖の絶景と富士山ビューの宿|新宿から高速バスで2時間

日本の象徴ともいえる富士山。その美しい姿を正面から眺められる場所として、多くの旅人を惹きつけてやまないのが「富士五湖」エリアだ。山梨県南部に広がる五つの湖──河口湖・山中湖・西湖・精進湖・本栖湖──はいずれも異なる角度から富士山を望め、季節や天候によってさまざまな表情を見せてくれる。

新宿からは高速バスで約2時間。都心からのアクセスが良いため、日帰りや1泊2日の旅先としても人気が高い。目的地は河口湖や山中湖が一般的で、それぞれに展望ポイントや富士山ビューの宿泊施設が整っており、初心者でも気軽に訪れやすい。

なかでも河口湖周辺は、観光の拠点として最も充実しているエリア。湖畔を歩きながら撮影できる「大石公園」や「八木崎公園」などは、四季折々の花々と富士山のコントラストが美しく、特に春の桜、夏のラベンダー、秋の紅葉シーズンには多くの人がカメラを構える。早朝、風のない日に湖面に映る「逆さ富士」が見られることもあり、朝の散策は格別のひとときとなる。

宿泊先は、“富士山が見える”ことを売りにした旅館やホテルが多く、部屋の窓や露天風呂から雄大な山を望める宿が人気だ。温泉宿では、湯船に浸かりながら日没とともに色を変える富士山を眺めるという贅沢な時間が過ごせる。さらに最近では、北欧風のデザインを取り入れたグランピング施設や、プライベートヴィラタイプの宿も増えており、滞在のスタイルも多様化している。

食の楽しみも見逃せない。地元の名物である「ほうとう」や山梨ワイン、富士桜ポークを使ったグリル料理など、地産地消の味覚が揃っている。湖畔のレストランやカフェでは、富士山を一望できるテラス席を設けているところもあり、食事の時間そのものが旅のハイライトになる。

また、アクティビティも豊富。サイクリングで湖を一周するルート、遊覧船から眺める富士山、標高の高い展望スポット「富士見台」など、動きながら自然を感じられる仕掛けが多い。富士急ハイランドのようなレジャー施設も近隣にあり、ファミリー旅行にも最適な環境が整っている。

富士五湖エリアの魅力は、ただ富士山を見るだけでなく、「富士山と過ごす時間」を設計できることにある。湖の静けさ、空気の清らかさ、自然と調和した建築や食文化。それらすべてが、心を整え、非日常へと誘う装置として作用する。

週末、少しだけ遠くへ行きたいとき。新宿からわずか2時間で到着するこの地は、日本が誇る景観と癒しを兼ね備えた絶好の旅先である。