2025/06/28
名古屋から1時間で行ける“秘境温泉”を巡る週末旅

都会の喧騒を離れて、ほんの少し足を伸ばすだけで、驚くほど静かで癒される時間が待っている。名古屋から車や電車で約1時間という距離には、知る人ぞ知る“秘境温泉”が点在しており、週末を使ったショートトリップにもぴったりだ。山あいの温泉地でゆっくり湯に浸かりながら、心と体を整える週末旅は、忙しい日常の中に潤いをもたらしてくれる。

湯谷温泉(愛知県新城市)

JR飯田線を使えば、名古屋から電車で約90分。愛知県新城市の山間にひっそりと佇む「湯谷温泉」は、開湯1300年以上とも言われる歴史ある湯治場だ。宇連川の清流沿いに旅館が並び、どの宿も自然との距離が近い。とくに川に面した露天風呂では、せせらぎを聞きながらの入浴が叶い、時間の感覚がゆるやかにほどけていく。泉質はアルカリ性単純泉で、肌あたりがやわらかく、美肌の湯としても知られている。

南知多温泉郷(愛知県南知多町)

名古屋から名鉄特急で約1時間、さらにバスで数分の距離にある南知多温泉郷は、伊勢湾を望む海辺の隠れ宿が魅力。知多半島の最南端に位置し、夕陽が沈む時間には海と空が朱色に染まる絶景が広がる。天然温泉は塩化物泉で保温効果が高く、入浴後もぽかぽかと温かさが続く。宿では三河湾で獲れた新鮮な魚介を中心とした会席料理が提供され、グルメと癒しの両方を求める旅人にぴったりの場所となっている。

榊原温泉(三重県津市)

名古屋から近鉄特急で津駅まで約50分、さらに車で30分ほど山奥に入ると出会えるのが「榊原温泉」。かつて伊勢参りの旅人が心身を清める湯として訪れた歴史があり、「七栗の湯」とも呼ばれてきた。無色透明でとろみのある泉質は、美肌効果が高いアルカリ性単純温泉。小規模な旅館が中心のため、騒がしさとは無縁の静けさに包まれる。時間に余裕があれば、伊勢神宮への寄り道も週末旅を特別なものにしてくれる。

下呂温泉(岐阜県下呂市)

名古屋からJR特急で約90分と少し距離はあるが、「日本三名泉」に数えられる下呂温泉も週末旅の候補として外せない。街の中心を流れる飛騨川沿いには、多くの旅館や無料の足湯が点在し、気軽に温泉文化を楽しめる。湯は無色透明のアルカリ性単純泉で、肌にやさしく、長湯しても疲れにくい。レトロな街歩きや飛騨牛グルメも楽しめ、短い時間でも充実感のある滞在が実現する。


名古屋から1時間前後の距離に、これほど多彩で個性的な温泉地が揃っているのは驚きでもある。名湯や隠れ宿に浸かり、移動時間を最小限に抑えた効率のよい癒し旅。週末をもっと豊かに過ごすために、次の休みは温泉地へ向かってみてはいかがだろうか。