2025/06/28
【香川】うどん県だけじゃない!直島とアートな島旅完全攻略

「うどん県」としてすっかり定着した香川県だが、実は世界的に注目を集める“アートの島”を有する土地でもある。瀬戸内海に浮かぶ直島(なおしま)は、島全体が現代アートと建築に包まれた特別な場所。美術館めぐりや海を望む絶景、島の静かな暮らしに触れる体験は、他にはない深い旅の記憶となる。

高松港からフェリーで直島へ

直島への玄関口は、高松港(香川県)または宇野港(岡山県)。高松港からフェリーで約1時間。港に近づくと、草間彌生の巨大な「赤かぼちゃ」が出迎えてくれる。この時点で、すでに島旅の世界観は始まっている。

フェリーは旅のスタートを特別なものにしてくれる移動手段。穏やかな瀬戸内海を進みながら、徐々に島が近づいてくる様子は、日常からアートの世界へとシフトする感覚を生み出してくれる。

地中美術館とベネッセアートサイト直島

島内のアートスポットで特に人気が高いのが「地中美術館」。安藤忠雄の設計による建築そのものが芸術であり、館内ではクロード・モネやウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルといった世界的作家の作品が、自然光と静けさの中で展示されている。

この美術館の最大の魅力は、“作品と空間と光が一体化している”こと。見る、というより“感じる”ことに重きを置いた体験は、日頃の感性を呼び覚ましてくれる。

その周辺に広がる「ベネッセハウス」では、宿泊施設と美術館が融合し、泊まりながらアートに囲まれるという贅沢な滞在が可能。館内の作品は24時間鑑賞可能で、時間帯によって変わる雰囲気や光の移ろいも魅力の一部となる。

家プロジェクトと島の暮らしを歩く

直島の「本村エリア」では、古民家を改修しアート作品として公開している「家プロジェクト」が点在している。路地を歩きながら巡るこのスタイルは、観光と島の日常がやわらかく重なり合う体験となる。

草間彌生の「黄かぼちゃ」がある南の海辺「宮浦」エリアも外せない撮影スポット。時間があれば、海辺に腰を下ろして、瀬戸内の静かな波音を感じるのもこの島旅の楽しみのひとつだ。

直島グルメとアートなカフェ

旅の途中で立ち寄りたいのが、島内のカフェや食事処。地元野菜や瀬戸内の魚介を使ったランチ、アート本が並ぶブックカフェ、ギャラリースペース併設のコーヒースタンドなど、直島ならではの空気感がある店が多い。どの店も時間の流れがゆっくりで、慌ただしい日常を忘れさせてくれる。


アートに浸る“感性の旅”へ

直島は、香川県の“うどん”のイメージとは対照的な、静かで感覚的な時間が流れる場所。芸術作品に触れるというより、作品の中に“滞在する”という感覚が近い。心をリセットし、内側から整えるような島旅をしたい人にとって、直島は最高の舞台だ。