瀬戸内海に浮かぶ小豆島(しょうどしま)は、香川県に属する自然と文化が融合した魅力的な島。温暖な気候のなか、オリーブ畑が広がり、入り組んだ海岸線や山あいの棚田が織りなす景観は、どこか地中海を思わせる穏やかさに包まれている。香川・高松からフェリーでアクセスできる手軽さも相まって、1泊2日の癒し旅にぴったりの舞台だ。
【1日目】高松港からフェリーで小豆島へ|オリーブと海風のスタート
高松港からフェリーに乗って約1時間、小豆島の土庄港に到着。港を降りた瞬間、潮風とともにゆったりとした空気が流れ始める。最初に訪れたいのが、小豆島を象徴する「オリーブ公園」。広々とした丘の上には、オリーブの木々が風に揺れ、白いギリシャ風車や地中海風の建物が非日常を演出する。魔女の宅急便のロケ地としても知られており、無料貸出の“魔法のほうき”で写真撮影を楽しむ観光客の姿も。
昼食は園内や近隣のレストランで、オリーブオイルを使ったパスタや瀬戸内の魚介を使ったランチを。地元の素材を生かした料理は、体にもやさしく、旅の満足度をぐっと高めてくれる。
午後は「エンジェルロード」へ。干潮時にだけ現れる砂の道を歩くと、向こうに浮かぶ小島へ渡ることができる。カップルの聖地としても人気の場所で、潮が引くタイミングを狙えばロマンティックな風景が広がる。
【2日目】棚田と山間の絶景をめぐる|小豆島のもうひとつの表情
2日目は、小豆島の内陸部へ。日本の棚田百選にも選ばれた「中山の千枚田」では、四季折々の農村風景が見られ、特に田植えや収穫の時期には水面や稲穂が美しく輝く。石積みで造られた曲線の棚田は、写真映えも抜群で、島の静かな営みを感じられるエリア。
近くには、名水百選にも選ばれた「湯船の水」や、素朴な「中山農村歌舞伎舞台」もあり、時間があれば立ち寄りたい。さらに島の中央に位置する「寒霞渓(かんかけい)」もおすすめ。ロープウェイで山頂へ登れば、奇岩と渓谷が織りなすダイナミックな風景と瀬戸内の海の青が交差する大パノラマが広がる。秋には紅葉スポットとしても人気だ。
旅の締めくくりには、小豆島産の醤油やオリーブオイルを扱うショップに立ち寄ってお土産探しを。手づくりのオリーブコスメや、島の素材を活かしたクラフト商品も揃い、旅の余韻を持ち帰ることができる。
島時間に包まれる、小豆島の癒し旅
オリーブの木が風に揺れ、山と海が交差する景観の中に、静かで豊かな時間が流れる小豆島。歩いて、眺めて、味わって──五感で感じるこの島旅は、日常をやさしくほどいてくれる。高松からわずか1時間の場所に、こんなにも深く癒される世界がある。次の週末は、小豆島で“なにもしない贅沢”を味わってみてはいかがだろうか。