夏の四国・九州・沖縄は、青く澄んだ海と活気あふれる夏祭りが交差する、日本の魅力が凝縮されたハイシーズン。地域ごとの自然と文化を堪能できるモデルルートを描けば、五感すべてで“日本の夏”を味わうことができる。
まずは四国。高知の桂浜は、太平洋を一望できる開放的なビーチ。波打ち際には坂本龍馬像が立ち、歴史と自然の両面を感じられる名所だ。ここから足を延ばせば、透明度の高い仁淀川での川遊びやSUP体験も人気。8月には「よさこい祭り」が開催され、音楽と踊りで街が熱気に包まれる。色とりどりの衣装とエネルギッシュな演舞は、観客も踊り出したくなるほどの迫力だ。
九州では宮崎県・青島海岸がリゾート気分を味わえるスポット。南国の雰囲気漂うフェニックス並木と、ゆったりとした波が旅人を癒す。夜は熊本や大分で開催される夏祭りに足を運べば、花火大会や山車の行列が幻想的な夜を演出する。例えば熊本の「火の国まつり」は、約5,000人が踊る総踊りが見どころで、街全体が参加する一体感が魅力。
さらに南下して沖縄では、美ら海と伝統行事が共存するユニークな夏を体験できる。那覇から車で行ける恩納村や古宇利島は、遠浅のエメラルドグリーンの海が広がる絶景スポット。泳いだ後は、地元で開催される「エイサー祭」や「全島エイサーまつり」で伝統舞踊にふれ、夜は泡盛片手に島唄ライブを楽しむという一日も可能だ。
この季節ならではの楽しみは、ただの観光にとどまらない。暑さのなかで海風に吹かれ、地域ごとの祭りに触れることで、その土地の人々の誇りや日常に一歩近づくことができる。リゾートとローカルが混ざり合うこのモデル旅は、表情豊かな日本の夏を象徴している。
夏休みに合わせて旅を計画するなら、こうしたエリアごとの特徴を活かしたルートを組み合わせるのがおすすめだ。海で身体を解放し、夜は文化に浸る。その繰り返しが、深く記憶に残る夏旅をつくってくれる。