冬の沖縄は、冷たい風を避けて心と体をほぐすのに理想的な場所だ。東京が本格的な寒さに包まれる12月から2月、沖縄では日中の平均気温が17〜20度と過ごしやすく、寒さに悩まされることのない時間が広がっている。厚手のコートを脱ぎ、日差しの下で穏やかな冬を過ごす「避寒リゾート」としての沖縄には、都市部では味わえない冬の楽しみが詰まっている。
旅の出発は羽田空港から。那覇までは直行便で約3時間と、国内旅行の感覚でアクセス可能だ。午前中の便を利用すれば、到着日からゆっくりと滞在を始められる。那覇市内のホテルにチェックインした後は、国際通りを歩いたり、波上宮で新年のお参りをしたりと、冬でも屋外を快適に楽しめるのが沖縄の特長だ。
日程に余裕があるなら、恩納村や読谷村といったリゾートエリアへ足を延ばすのもおすすめだ。ここでは海沿いのホテルでオーシャンビューの客室に滞在しながら、屋外ジャグジーや温水プール付きの施設で、真冬を感じさせない贅沢な時間が待っている。夕暮れ時には空と海が混ざるようなトワイライトが窓いっぱいに広がり、都市では味わえない開放感に包まれる。
アクティビティも冬仕様に工夫されており、マングローブカヤックやホエールウォッチングが人気だ。1月から3月にかけてザトウクジラが沖縄近海にやってくるため、クルーズツアーに参加すれば、その迫力ある姿を間近で見ることができる。湿度が少なく空気が澄むこの時期は、夜空に広がる星も格別で、星空観賞ツアーも魅力のひとつとなっている。
さらに、冬の沖縄は食の魅力も見逃せない。寒い季節に食べるラフテーや中身汁、アーサそばなど、体を芯から温めてくれる郷土料理は、旅の記憶に深く刻まれる味となる。屋外のテラス席でも快適に食事が楽しめるのは、冬とは思えないこの地域ならではの体験だ。
東京の冬を一時的に離れ、自然のぬくもりと人のやさしさに触れる沖縄のリゾート滞在。コートの代わりにカーディガン、手袋の代わりにサングラスを。南国で冬を忘れる旅は、心と身体のリセットにぴったりな季節の選択肢となる。