2025/07/03
日本のドラッグストアはまるで宝箱 これだけは買って

日本を訪れる旅行者の間で、もはや定番となりつつあるのが「ドラッグストア巡り」である。観光地の近くに点在するその店には、医薬品、美容用品、日用品、お菓子などあらゆるジャンルの商品が整然と並び、まるで宝箱のように人々の好奇心をくすぐる。価格も手頃で、品質は折り紙付き。どれを選んでも失敗しないと言われるほどの信頼感がある中で、特に「これだけは買って帰るべき」と評される定番アイテムをいくつか紹介したい。

まず外せないのが「目薬」。日本の目薬は用途が細かく分かれており、乾き、かゆみ、疲れ、充血、さらにはコンタクト対応タイプまで揃っている。清涼感の強さを選べる製品もあり、スッとした使用感が癖になると評判だ。旅行中に目が疲れがちな人にとっては、その場でのケア用品としても重宝する。

続いて人気なのが「湿布」や「冷却シート」。とくに発熱や疲労に即効性のある冷却ジェルシートは、子どもから大人まで使えるアイテムとして愛されている。軽くて持ち運びやすく、現地で使う用とお土産用に分けて購入する人も多い。ドラッグストアによっては大型パックが割安で販売されており、まとめ買いにも向いている。

「歯磨き粉」も注目すべきアイテムのひとつ。ホワイトニング、知覚過敏ケア、歯周病予防など機能別に特化した商品が多く、海外では見かけないような処方のものが手に入る。日本人の繊細なオーラルケア意識を反映しており、種類の豊富さと品質の高さは旅行者からの支持も厚い。

美容好きなら「フェイスマスク」は見逃せない。保湿、ハリ、小じわケア、美白など、目的別にラインナップが揃っているだけでなく、香りや素材の選び方まで選択肢が広がっている。1枚単位のものから大容量のセットまであり、価格帯も手頃。旅行中の肌のリフレッシュ用として、ホテルの夜に使うのもおすすめである。

「日焼け止め」も人気アイテムのひとつ。日本製はテクスチャーが軽く、白浮きせず、べたつかない使用感で評価が高い。敏感肌対応の製品も多く、家族みんなで使えるやさしさが魅力。特に夏の旅行では、歩き回る前に現地で購入してその場で使い始める人も少なくない。

他にも「入浴剤」「アイマスク」「マスクスプレー」「ハンドクリーム」「爪切り」など、暮らしに寄り添う高品質な日用品が所狭しと並ぶ。サイズもコンパクトなものが多く、スーツケースに詰めやすいため、旅先で気軽にショッピングを楽しめるのも魅力である。

どの店舗も店員の対応が丁寧で、免税カウンターが設けられているところも多い。外国語表記のPOPやパンフレットが用意されている場合もあり、商品選びに困ったときの手助けになる。店舗ごとに取り扱いブランドが異なることもあるため、地域をまたいで複数の店舗を巡るのも楽しみ方のひとつだ。

 

ドラッグストアの魅力は、単に“安くて便利”なだけではない。棚に並ぶひとつひとつの製品に、日本人の生活感覚や工夫、思いやりが詰まっている。その空間に足を踏み入れるだけで、ちょっとした異文化体験ができるのもまた旅の醍醐味だ。

旅先でのちょっとした買い物が、帰国後の生活を豊かにしてくれる。日本のドラッグストアは、そんな“持ち帰れる満足感”を提供してくれる場所である。初めてでも、何度目でも、やっぱりまた行きたくなる。だからこそ、旅の計画にはドラッグストアでの時間もぜひ組み込んでおきたい。そこには、日常に溶け込む特別が確かに詰まっている。