日本への旅行を計画する際、ショッピングを目的のひとつにする人は多い。中でも注目されているのが「日用品の爆買い」。高級ブランドではなく、ドラッグストアや生活雑貨店で手に入るアイテムがあまりに優秀すぎて、空のスーツケースで訪れては、パンパンに詰めて帰る人が後を絶たない。観光よりも買い物が目的になる旅。そんな経験を経て、多くの人が「次回もまた日本で買おう」と決めている。
訪日リピーターに聞くと、まず挙がるのが「目薬」。清涼感が心地よく、乾き目や疲れ目にすぐ効くと評判である。種類が豊富で、自分に合った1本を見つける楽しさもあり、お土産用としてまとめ買いする人も多い。コンパクトで軽く、何本でもスーツケースに入れられるのが嬉しい。
「歯磨き粉」も人気の定番だ。ホワイトニングや歯周病予防、知覚過敏対策など機能別に商品が分かれており、日本語が読めなくてもパッケージから用途が判断しやすい。特に“日本人が毎日使っているもの”という安心感があり、帰国後も使い続けたいという声が多く寄せられている。
「ナプキン」や「冷却シート」などの衛生用品も外せない。肌あたりのやさしさや吸収性に感動し、「もう他の国の製品には戻れない」と言う人もいる。冷却シートは発熱時だけでなく、夏の暑さ対策にも使える万能アイテム。旅先で体調を崩したときの備えとしても持ち歩かれている。
美容アイテムも充実しており、「フェイスマスク」は特に人気が高い。1枚ずつ個包装されているものや、大容量パックもあり、肌悩みに合わせて選べる。香りや成分のバリエーションが豊富で、どれにしようか迷う時間すら楽しい。ほかにも、導入液、美容オイル、まつげ美容液など、日本のスキンケアは細かいニーズに応える設計が魅力だ。
キッチン用品や掃除グッズなどの生活雑貨も人気だ。たとえば、折りたたみ式のシリコンボウル、油はね防止のネット、携帯用箸や爪切り、靴の中敷きまで。実際に使ってみて、その機能性に驚き、次の渡航時にもリピート購入する人が多い。中には、100円ショップで買ったものが「人生で一番使える道具だった」と言う声もある。
旅行者向けにまとめ買いしやすい大容量パックや限定パッケージが販売されているのも魅力のひとつ。免税対応店舗では購入額に応じた割引や特典もあり、思い切って“まとめて買う”というスタイルが推奨されている。最近では、中国語や英語で説明されたリーフレットや商品ポップも充実していて、安心して買い物できる環境が整っている。
初めての日本旅行で「ちょっとだけ試してみよう」と買った商品が、思いのほか使い心地がよく、次回の旅では真っ先にその店に向かう。そんなストーリーが、訪日旅行者の間で日常になっている。日本のドラッグストアや雑貨店は、暮らしの中で本当に必要とされているものが揃っている場所。特別なものではなく、毎日を快適にする“名脇役”が並ぶ棚が、旅の印象を静かに変えていく。
空のスーツケースで来る理由は、単なる荷物の軽減ではない。ここでしか買えないものを、確実に持ち帰るための準備でもある。旅の目的地に、日本の“日用品”を加えてみてほしい。それは帰国後も続く、日本での記憶と満足を運ぶ手段になる。