「セーラームーンは永遠のヒロイン──90年代アニメの世界的リバイバル」

「セーラームーンは永遠のヒロイン──90年代アニメの世界的リバイバル」

「月に代わっておしおきよ!」この決めゼリフとともに世界中の少女たちの心をつかんだ『美少女戦士セーラームーン』。1992年に日本で放送が始まったこの作品は、90年代を代表する“少女向けアニメ”でありながら、いま世界的なリバイバルブームの中心に立っている。 海外では「Sailor Moon」として知られ、アニメ配信サービス、レトロファッション、音楽リミックス、そしてジェンダー議論の題材としても再注目されている。30年経っても色褪せないその魅力は、なぜこれほど多くの人の心に残り続けているのだろうか。...
「Netflixで広がる“アニメ世界地図”──日本から同時配信の衝撃」

「Netflixで広がる“アニメ世界地図”──日本から同時配信の衝撃」

かつて日本のアニメは、数年遅れで海外に輸出され、現地語に吹き替えられ、ようやく放送されるという流れが主流だった。しかし今、その構図が劇的に変化している。 Netflixをはじめとするグローバルストリーミングサービスの登場により、日本で放送されたアニメが、字幕付き・吹き替え付きで“同時に”世界中へと届けられる時代が到来したのだ。...
「顔なしは“現代人”の象徴?──海外の観客が読み解く千と千尋」

「顔なしは“現代人”の象徴?──海外の観客が読み解く千と千尋」

スタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』(2001)に登場する、不思議なキャラクター「カオナシ(顔なし)」。黒い影のような身体に白い仮面をつけ、初めは静かで頼りなげ、やがて貪欲に周囲を飲み込み始める──その不気味でどこか寂しげな存在は、観る人によって多様な解釈を引き寄せてきた。 とりわけ海外の批評家や観客の間では、カオナシを「現代社会における人間の鏡」「アイデンティティを見失った都市生活者の象徴」と読み解く声が少なくない。なぜ、ことば少なに漂う“顔なし”が、これほど普遍的な共感を呼んでいるのか。 仮面をかぶった“透明な存在”...
「世界が迷い込んだ異世界──“千と千尋”が描いた日本の魂」

「世界が迷い込んだ異世界──“千と千尋”が描いた日本の魂」

2001年に公開されたスタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』は、日本国内で驚異的な大ヒットを記録しただけでなく、世界各国で深い共感と称賛を受け、2003年にはアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した。だが、この作品が本当に描いていたのは、目に見えるファンタジーではない。外国人たちをも魅了したのは、実は“日本人の心の奥底に眠る感性”──つまり「日本の魂」だったのではないか。 懐かしくて新しい、“異界”の構造...
「聞く文化から“体験する文化”へ──昔の歌で味わう日本文化ツーリズム」

「聞く文化から“体験する文化”へ──昔の歌で味わう日本文化ツーリズム」

旅の記憶に残るのは、必ずしも見た景色だけではない。ふと耳にしたメロディ、土地のことばで紡がれる歌声──そんな“音の体験”こそが、心に残る文化との出会いになる。 近年、日本の「昔の歌」──わらべ歌、民謡、童謡、昭和歌謡などを観光資源として活用する“音の文化ツーリズム”が、国内外で注目を集めている。音楽を「聞く」から「体験する」へと変化させることで、より深く日本文化に触れられる新しい旅の形が生まれているのだ。 観光客の耳をとらえる“うたの時間”...