スマホを手放す5分間──香港の学校で始まった“昔のおもちゃタイム”

スマホを手放す5分間──香港の学校で始まった“昔のおもちゃタイム”

チャイムが鳴り、子どもたちは一斉にカバンの中からけん玉やおはじき、紙風船、竹とんぼなどを取り出す。香港のある小学校で行われている「昔のおもちゃタイム」は、毎日授業と授業の合間にわずか5分間設けられた、“スマホを手放す時間”だ。 画面を見ず、音も鳴らず、電源も要らない──そんな「アナログなおもちゃ」と触れ合うわずかな時間が、いま子どもたちに新鮮な喜びと心の余白をもたらしている。 デジタル漬けの毎日に、一呼吸の「余白」を...
プラスチックじゃない楽しさ──“竹とんぼ”が教える想像力

プラスチックじゃない楽しさ──“竹とんぼ”が教える想像力

今、香港の一部の家庭や教育現場で、この日本の昔ながらの“アナログおもちゃ”が静かな注目を集めている。プラスチックや電子機器に囲まれた日常の中で、竹とんぼが呼び覚ますのは「想像力」と「体感の楽しさ」。時代を超えて再発見された、その魅力を紐解いていこう。 「飛ばす」だけで広がる世界 竹とんぼは、竹の棒と羽根部分を組み合わせた、非常にシンプルな構造の回転飛行玩具。指先で軸をひねることで、羽根がプロペラのように回転し、空へと飛び立つ。構造は単純だが、飛ばし方によって飛距離や軌道が大きく変わる。...
祖父母が遊んだ“おはじき”を孫と──香港家庭に広がる昭和の遊び

祖父母が遊んだ“おはじき”を孫と──香港家庭に広がる昭和の遊び

煌びやかなガラス片が、ちゃりんと音を立てて跳ねる。その音に、子どもと祖父母がそろって笑い合う。手のひらに収まる小さな宝石──「おはじき」は、かつて昭和の日本の子どもたちが夢中になった遊び道具だった。 今、その懐かしい遊びが、香港の家庭で“新しい文化体験”として受け入れられ始めている。きっかけは、祖父母世代の記憶と、孫世代の好奇心が、時を超えて交差したことだった。 おはじきとは何か──シンプルな“指の知育”...
けん玉旋風、香港に上陸──“レトロが新しい”現代の遊び方

けん玉旋風、香港に上陸──“レトロが新しい”現代の遊び方

一見、昭和の風景から抜け出してきたかのような木製のおもちゃ──けん玉。しかし今、この日本の伝統玩具が、香港の若者や子どもたちの間で「新しい遊び」として再評価され、静かなブームを巻き起こしている。 SNSには、複雑な技を軽やかにこなす香港の中高生や、親子で競い合う動画が続々と投稿され、「#Kendama」「#日式玩具」などのタグが人気上昇中。なぜ今、けん玉なのか? その背景には、“アナログだからこそ面白い”という、新しい遊び方の発見がある。 木の音が心地よい──デジタル疲れを癒す感覚体験...
紙風船に夢をのせて──“日本の昔遊び”が香港キッズに新鮮な理由

紙風船に夢をのせて──“日本の昔遊び”が香港キッズに新鮮な理由

色とりどりの丸い風船が、ふわりと宙に浮かぶ。その動きを目で追いながら、子どもたちは歓声を上げる。けれどそれは、ゴム製の風船でも、電子機器の玩具でもない。ただの「紙」でできた、日本の昔ながらの遊び道具──紙風船である。 いま香港の一部の小学校や家庭、カルチャーイベントで、「日本の昔遊び」が新鮮な驚きを持って受け入れられている。その象徴的な存在が、軽くて儚い、あの紙風船だ。 色も、音も、かたちも──アナログな“ふしぎ”に夢中...