“古い=価値ある”という新常識──昔おもちゃが香港の感性を刺激する

“古い=価値ある”という新常識──昔おもちゃが香港の感性を刺激する

色あせた木のけん玉、カラフルなガラスのおはじき、ふわりと空を舞う紙風船──どれも時代遅れのように見えるかもしれない。だが今、こうした日本の“昔のおもちゃ”が、香港の子どもや親たちの間で“新鮮で価値あるもの”として静かな注目を集めている。 高機能なデジタル玩具やカラフルなキャラクター商品が溢れる中、「シンプルでアナログなおもちゃ」が逆に心を惹きつけている。その背景には、“古いからこそ美しい”“不完全だからこそ想像できる”という新しい価値観がある。 “レトロ”がもたらす刺激と癒し...
けん玉がつなぐ日港文化交流──木の音が響く国際大会の舞台裏

けん玉がつなぐ日港文化交流──木の音が響く国際大会の舞台裏

“カコンッ”という心地よい木の音が、体育館に響く。歓声と拍手が重なり、観客が見守る中、ひとりの少年が難易度の高い技を成功させた。場所は香港・九龍にある中学校の講堂。開催されていたのは、日本と香港のけん玉愛好者が集う「けん玉国際交流大会」だ。 かつて昭和の子どもたちが遊んでいた木製のおもちゃ「けん玉」が、今では国境を越えて人と人をつなぐ“文化のかけ橋”になっている。日本発祥のこの伝統玩具は、どうして香港で、そして国際的な舞台でここまで愛される存在になったのだろうか。 「技」ではなく「心」で勝負する...
遊びは“シンプル”が美しい──香港の親が注目する日本の伝統玩具

遊びは“シンプル”が美しい──香港の親が注目する日本の伝統玩具

画面をタップするだけのゲームでは、すぐに飽きてしまう。ボタンを押すだけの電子おもちゃでは、驚きも感動も続かない。だからこそ今、香港の一部の親たちが注目しているのが、“シンプルなのに奥深い”日本の伝統玩具だ。 けん玉、こま、竹とんぼ、おはじき──どれも電池もアプリも不要。ただ、自分の体と感覚で遊ぶ。そこにあるのは、音や光で飾られた派手さではなく、「体験そのものの面白さ」だ。 「操作」ではなく「工夫」で遊ぶ...
「日本の“縁日気分”を香港で──手作り昔おもちゃワークショップが好評」

「日本の“縁日気分”を香港で──手作り昔おもちゃワークショップが好評」

金魚すくいに射的、そしてヨーヨー釣り──日本の“縁日”と聞けば、誰もが思い出す懐かしい光景がある。今、その縁日の雰囲気をまるごと体験できるイベントが、香港で人気を集めている。 舞台は、日本文化イベントの一角で開催された「昔のおもちゃワークショップ」。紙風船、竹とんぼ、おはじき、けん玉といった手作り玩具が並び、親子連れが集まるその空間には、どこか昭和の香りが漂っていた。...
回すだけなのに夢中──“独楽”が子どもたちの人気No.1に

回すだけなのに夢中──“独楽”が子どもたちの人気No.1に

見た目は地味で、操作も単純。ただ糸を引き、手のひらから放つだけ──それでも、いま香港の子どもたちは“独楽(こま)”のとりこになっている。色とりどりの木製独楽が教室や校庭で回り、誰が一番長く回せるかを競い合う姿があちこちで見られるようになった。 回るというたった一つの動作に、なぜこれほど夢中になるのか?その理由を探ると、シンプルな構造の裏に隠れた“感覚と集中の深さ”が見えてくる。 独楽の基本は“指と感覚”...
スマホを手放す5分間──香港の学校で始まった“昔のおもちゃタイム”

スマホを手放す5分間──香港の学校で始まった“昔のおもちゃタイム”

チャイムが鳴り、子どもたちは一斉にカバンの中からけん玉やおはじき、紙風船、竹とんぼなどを取り出す。香港のある小学校で行われている「昔のおもちゃタイム」は、毎日授業と授業の合間にわずか5分間設けられた、“スマホを手放す時間”だ。 画面を見ず、音も鳴らず、電源も要らない──そんな「アナログなおもちゃ」と触れ合うわずかな時間が、いま子どもたちに新鮮な喜びと心の余白をもたらしている。 デジタル漬けの毎日に、一呼吸の「余白」を...