北海道土産として知られるROYCEの生チョコレート。名前は聞いたことがあったけれど、正直それほど期待していなかった。けれど、日本の空港でなんとなく手に取って買ってみたその一箱が、予想をはるかに超える体験をくれた。箱を開けて一粒口に運んだ瞬間、その柔らかさと口どけ、カカオの香りが一気に広がって、「これはただのチョコじゃない」と確信した。
まず驚いたのが、その食感。生チョコというだけあって、舌の上にのせた瞬間にすっと溶けていく。なめらかで重たさがなく、まるでガナッシュのような質感なのに、後味はくどくない。冷蔵状態で販売されていることにも納得がいくほど、その繊細な口当たりは常温では表現できない柔らかさだった。
そして、味の深さにも感動した。定番のオーレはミルク感がしっかりありながら、甘すぎず、カカオの風味が豊か。洋酒の香りがほんのりと効いていて、大人のデザートとしても満足感が高い。他にもビター、ホワイト、抹茶、シャンパンなど多彩なフレーバーがあり、どれも個性がありながらROYCEらしい上品さが共通している。
小さな一粒に包まれたこの丁寧さは、手に取るたびに気持ちを落ち着かせてくれる。個包装ではないが、専用のフォークがついていて、薄いココアパウダーに包まれた正方形のチョコレートをそっとすくう仕草までもが、ちょっとした特別な時間になる。冷蔵庫から取り出し、静かな午後に一粒だけ食べる。それだけで小さな幸福を感じられる。
ROYCEが人気を集めている理由は、味や品質の高さだけではない。パッケージもシンプルかつ高級感があり、お土産としての見栄えも抜群。価格も手頃で、数百円から購入できるラインナップが揃っており、自分用にも贈答用にもぴったり。空港や主要駅の売店、デパートの物産展などでも手に入るので、旅の途中で買いやすいのも魅力のひとつである。
また、季節限定商品や地域限定フレーバーが登場するのも楽しみのひとつ。冬にはストロベリーやラム、春には桜、夏には柑橘系、秋には栗やキャラメルといった、旬を取り入れたチョコレートが展開されており、リピーターが絶えない。旅先で出会った味を、次に日本を訪れたときにもう一度探す。そんな楽しみ方ができるのも、ROYCEの魅力である。
お菓子というより、もはや“体験”として印象に残るROYCEの生チョコは、ただ甘いだけのものではない。素材、製法、パッケージ、保存方法、そのすべてにこだわりが詰まっている。高級ブランドに引けを取らないクオリティでありながら、手に取りやすい身近さも持ち合わせている。
次に日本を訪れるときは、迷わずまたあの青い箱を探してしまうだろう。そしてきっと、家族や友人にもこの“口どけ”を伝えたくなる。ROYCEの生チョコは、一粒で人の心を動かす力を持っている。それは、日本のお土産の中でも、まぎれもなく“本物”のひとつだと感じた。